ヨーボヤ貧乏
「イヨボヤ」を町の人が発音すると「ヨーボヤ」になり、つまり鮭貧乏。昔から秋に鮭が遡上してくると、町の人々はできるだけ大きく、姿のよいものを我先に買い求めたそうです。その鮭で「塩引き」を作るのですが、これは昔から主人の大事な務めだったそうです。塩引きは家庭で食べるだけでなく、親戚知人への贈り物にもなっていました。そこで「姿かたちの美しさ」を競います。また、翌年の梅雨明けまで保存した塩引きは「酒びたし」になるのですが、良い鮭を選んで上手に作らないと梅雨明け前にダメになってしまうそうです。という諸々の要素が絡んで、主人同士火花を散らして鮭を買い集め、大量の塩引きを作る。このために散財してしまうのを「ヨーボヤ貧乏」と呼ぶそうです。