小川未明
写真:小川未明文学館提供
Q.小川未明ってどんな人?
A. 上越市高田出身の童話作家です。東京専門学校(今の早稲田大学)に入学しました。「小川未明」という名前は、この学校の先生がつけてくれたそうです。
Q.未明が好きだった「飴チョコ」って何?
A. 「飴チョコ」はキャラメルのことです。未明の童話には、自分の経験をもとにしたお話がたくさんあります。「飴チョコの天使」という作品もその中の一つです。キャラメルの箱に描かれた天使が語るお話で、当時キャラメルは高級なおやつでした。あるおばあさんが孫のために買って送り、孫たちがうれしそうに食べる様子が書かれています。
Q.なぜ「飴チョコの天使」というお話を書いたの?
A. 「飴チョコの天使」は、未明の母が孫たちへキャラメルを送った出来事がもとになっています。そのキャラメルは、箱に天使が描かれていることからも分かるように森永製菓のミルクキャラメルです。大正10年(1921)ころはキャラメルはとても高くて贅沢なおやつでした。未明もこのキャラメルを通して母の愛情を感じていたのでしょう。
Q.未明の代表作は?
A. 未明の代表作は「赤い蝋燭と人魚」です。海で暮らす人魚が、自分の子どもを人間の世界に託す物語です。未明は幼いころに家族と離れて、ほかの家に預けられていました。預けられた家が、蝋燭店だったことが「赤い蝋燭と人魚」のお話にもつながっているようです。
Q.未明はどうして童話作家になったの?
A. 未明は自分の気持ちに素直で、子どものような心を、大人になっても持ち続けていたそうです。はじめは小説家としてデビューしましたが、「童話は子どもたちだけでなく、大人にも伝わる美しい世界だ」と思うようになってからは童話だけを書き続けて、「日本近代童話の父」と呼ばれるまでになりました。
小川未明文学館内にある「未明の部屋」(写真:小川未明文学館提供)
【取材協力】
森永製菓株式会社
https://www.morinaga.co.jp
小川未明文学館
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/