飯ずし

村上の飯ずし作り

 飯ずしの主役である塩引き鮭は好みの大きさに切り、酢に漬けておきます。短冊切りにした大根とニンジンに塩をまぶしておき、数の子は塩出し、氷頭は薄切りにして長時間酢に漬けておきます。仕込む段数によって、材料を等分しておきます。防腐効果のある笹は、乾燥(又は冷凍)したものをゆでてふきます。
村上の飯ずし作り
 うまく発酵させるために最も重要なのが、「ねせこうじ」の発酵具合です。ご飯とこうじを混ぜて炊飯器で約4 時間保温します。
村上の飯ずし作り
 味見をして、甘みが出てご飯とこうじがなじんだら完成です。桶に笹の葉を敷き、ねせこうじと材料をのせ、段の境い目に笹を敷き、最後の段に笹を敷いたらふたをして、重石をのせます。
村上の飯ずし作り
 樽全体を新聞紙やビニール袋で覆い、冷暗所で保管して2 ~ 3 週間で仕上がります。盛り付けるときに彩りの青豆(水煮)や柚子の千切り、はらこ(いくら)を飾りますが、これらを最初に漬け込む家庭もあります。江戸時代からの製法を踏襲している料亭では、数の子は入れず、塩引き鮭と氷頭、皮、水はらこ(いくらの塩漬け)を入れています。また、鮭の代わりに鱒(ます)や身欠きにしんを使う家庭もあります。
村上の飯ずし作り

新潟県の「なれずし」

 飯ずしのように、ご飯やこうじを使って魚を乳酸発酵させたものを「なれずし」といいます。なれずしは東南アジアの山岳地帯で生まれた保存技術が、稲作とともに日本に伝わったと言われています。新潟県内のなれずしは、地元でとれる生の魚を使ったものと、北前船によってやってきた身欠きにしんなどの干した魚を使うものがあります。主に山間地では干した魚を使ったなれずしの食文化が伝承されています。
新潟県の「なれずし」

にしん漬け(魚沼市旧守門村)

 米のとぎ汁につけてくさみを抜いた身欠きにしん、塩漬けした大根とニンジン(拍子切り)となますうり(半月切り)を、ご飯とこうじで作ったねせこうじと混ぜて重石をして約1 週間おく。

ほっけずし(魚沼市旧湯之谷村)

 塩ほっけを二枚おろしにし、焼酎をかけておく。桶に笹の葉を敷き、こうじ、ほっけ、パセリ、山椒(さんしょう)の若芽、こうじの順に重ね、笹の葉をすきまなく敷き、重石をする。

きっこうし漬け(魚沼)

 塩漬けした大根(乱切り)と、塩と酢と酒に漬けて小さく切った身欠きにしん、ニンジン(千切り)を、ご飯とこうじをまぜたねせこうじと合わせ、重石をして3~4日漬ける。呼び名の由来は「生麹漬け」、または大根を「きっこわす」ことから。

身欠きにしんのこうじ漬け(阿賀町旧津川町)

 もどした身欠きにしんを洗い、背びれと頭を取りうろこを落とし、酒に1~2日漬けて戻す。鍋にこうじと水を入れて沸騰させない程度に温めて冷ます。容器にこうじ、身欠きにしん、山椒の葉を重ね、重石をのせ、約10 日間漬ける。

あゆのすし漬け(阿賀町旧上川町)

 はらわたを取り、水洗いした鮎(あゆ)の腹に、塩を混ぜたご飯を詰める。容器にご飯、鮎、山椒の葉を交互に入れ、最後に笹の葉を敷きつめて重石をする。上がってきた水は毎日ふき取り、水が出なくなったら1週間ごとに確認する。約2カ月で骨まで柔らかくなる。

ますのすし漬け(阿賀町旧上川町)

 3枚におろして切り身にした鱒(ます)の水分をよくふき取る。容器に塩を混ぜたご飯と鱒、山椒の葉を重ね、笹の葉を敷きつめ、重石をする。上がってきた水は毎日ふき取り、水が出なくなったら1週間ごとに様子を見て、約2カ月で完成。

鮭の飯ずし(新潟市旧豊栄市)

 塩鮭をそぎ切りし、桶などに笹の葉を敷いて並べ、その上に固めの甘酒をのせる。塩をふったゆうのこ(鮭の卵、いくら)を数粒のせ、再び笹を敷き、それを繰り返し、最後に笹の上に軽い重石をのせる。保存用にせず少量作り、早めに食べる。