多多神社本殿

多多神社は、大同元年(八〇六)の創建と伝えられるが現在の本殿は棟札(むなふだ)によって永正十六年(一五一九)に建てられたことが明らかである。
流れづくりの小さな社殿で、覆屋(おおいや)で保護されてきたため建てられた当時の姿は見事に残されている。身舎の間口は一・七メートル奥行きは一・〇六メートルで、正面と側面に縁と高欄(こうらん)をめぐらしている。面大取りの向背柱に頭貫(かしらぬき)をとおし、三ツ斗(みつど)(軒・天井・縁などを支えている木組み)を用いて桁をうけ、向背柱とのつなぎには海老虹梁(えびこうりょう)をかけ、垂木は二軒(ふたのき)、正面と向拝とのつなぎにカエル股をもらい、妻には虹梁大瓶束(こうりょうたいへいづか)にオイ形をかけ、柱上部の頭貫やつなぎ虹梁の先端には木鼻をほどこしている。流れづくりの正統をふむ室町時代中期のすぐれた社殿で、部分的に鎌倉時代の古調が残り、宝珠や木鼻彫刻に地方色がうかがえる点も注目される。
昭和五十一年から三ヵ年にわたって、国費二、八〇〇万円をかけて根本的解体修理とあわせて防災工事も終えている。
(所在 大字曽地)

出典:『風のいろ 柏崎市民文化誌 2004年創刊号』『柏崎市の文化財』
提供元:柏崎市教育委員会 博物館
画像提供元:柏崎市教育委員会 博物館

所在地

柏崎市大字曾地1325

お問い合わせ先

柏崎市立博物館(電話0257-22-0567)

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投稿者: 新潟県文化課
掲載日時: 2015年4月9日 06:22

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