file-81 舞踊芸術の世界(前編)~Noismという日本初の劇場専属舞踊団~

  

Noismという日本初の劇場専属舞踊団

日本初・劇場専属舞踊団Noismの発足

 Noismが日本初のレジデンシャル・ダンスカンパニー(劇場専属舞踊団)として産声を上げたのは2004(平成16)年4月。以来10年に渡り、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館(以下りゅーとぴあ)を拠点に、高い身体性と鋭い問題意識に裏打ちされた作品を発表し続けています。現在はプロフェッショナルカンパニーであるNoism1と付属研修生カンパニーのNoism2で構成されており、市と協議し契約を更新しています。
 設立のきっかけは、海外の舞踊団で活躍して日本に戻った演出振付家であり舞踊家の金森穣さんが、2003(平成15)年にりゅーとぴあ製作の市民ミュージカルにゲスト出演したことでした。
 「東京での活動をベースにしたまま、りゅーとぴあの芸術監督に就く案をいただきました。しかし日本もヨーロッパのように劇場がある地方都市に芸術監督が住み、その人と共に専門的スタッフが雇用され、劇場からその地域独自の文化芸術を発信するべきだと思っていました。ですからそのスタイルを新潟市に提案し、Noismが誕生しました」

 金森さんが新潟で目指すのは、劇場文化を成熟させること。それには文化政策としてやるべきであると、その活動は舞台制作の域を超え、行政との交渉にも積極的です。
 「りゅーとぴあという素晴らしい公共の施設があるのは、感性や情操、文化度の向上・持続のためにそれを育む場としての施設が、新潟市の文化政策として必要だからです。しかしその政策を実現するには、専門家を雇用する必要がある。ただ市民が利用するだけのサービス施設であってはならないんです。そして雇用された専門家が既存の枠にとらわれない新たな表現や、現代社会に対しての何らかの批判性というものを表現していく必要があります。なぜなら自己批判の出来ない社会は成熟していかないからです。『東京から作品を買ってきて上演して、終わり』ではなくて、その劇場独自のもの、その地域独自の文化を創造していくことが重要です。だからオファーをいただいた時は、ようやく日本でも地方からそういう劇場文化が始められるかもしれないと思いました」

金森穣(かなもりじょう):演出振付家、舞踊家。りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督、Noism芸術監督。2007(平成19)年度芸術選奨文部科学大臣賞、2008(平成20)年度新潟日報文化賞受賞。
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Noism1は新潟を拠点として、日本国内ツアーをはじめ、これまでに海外8カ国11都市でも公演を実施しています。2008年度第8回朝日舞台芸術賞舞踊賞を受賞。撮影者:篠山紀信

Noism1の付属研修生カンパニーNoism2と、専属振付家兼リハーサル監督の山田勇気。プロを目指す若手の舞踊家が所属し、毎年春夏に単独公演を行う他、県内ツアーや新潟市内イベントにも出演、Noism1との合同公演も。撮影者:遠藤龍

舞踊とは、プロフェッショナルとは

 

『SHIKAKU』(2004年) 撮影者:篠山紀信
Noismの記念すべき第1作目。観客もステージに上がり、仕切られた空間を移動する舞踊家を追いかけながら見る斬新なスタイル。

 「舞踊がなくても社会は機能するし、人は生きていくことができる」と金森さんは言い切ります。それでも敢えてNoismが追求する「舞踊」とはどういう価値があるものなのでしょうか。

 「自治体に雇用されて、常設の稽古場がある。これだけの環境を要請して活動するからには、その活動の文化的意義や芸術的価値といったものを提示していかなくてはならないと思っています」

 「人は『なんか違和感あるけど美しいなとか、なんかこれ分かんないけど、心に残るな』という自分の価値観にはなかった出来事、表現、すなわち異文化と触れた時に初めて自分と向き合い、価値観の共有できる他者との絆を深めるものです。演劇と違い、表現のほとんどが身体の動き、その有り様に由来する舞踊は時に『難しい』『分かりにくい』と言われることがあります。しかし人間は言語化できないもの、数値化できないものから魂を揺さぶられたり、その出来事が心に刻まれたりする感受性をもっているんです。その『感受性、そして身体の可能性』に舞踊家はかけている。そもそも人間存在、あるいは宇宙の始まりといったこの世界の起源などは、未だ謎だらけなんです。その謎を解明しようと己の身体と向き合うこと、そしてその謎を表現するためには、舞踊家がそのための覚悟や犠牲を背負ってでも舞台に立つ専門家でなくてはならない」と金森さんは語ります。

 「舞踊に興味がない、ふらっと劇場に来たような人でも『作品の意味、表現の内容は分からないけど、あの人達の身体とあの舞台上の出来事っていうのは、なぜか心に響くよね』というものを提示しないといけない。自分たちや、その表現に価値を感じる人達が社会的マイノリティであることは認識しています。でもマイノリティだからこそ既存の社会に発言できることがあるし、いつの時代でも新しい文化を生み出すのは社会的マイノリティです。大衆化されるのはそのあとのことだから。それにこうして活動を認めてもらえているということは、新潟市がその可能性を信じてくれているということでしょう。だからこそ我々は大衆に迎合することなく、環境に甘えることなく、精進しなければならないと考えています」

地方都市・新潟から発信するということ

『NINA−物質化する生け贄』(2005[平成17]年) 撮影者:篠山紀信
舞踊家の強度な身体の可能性を追求した作品。初の海外ツアー作品として2007年には北南米4都市で上演されました。

 連日何十という 劇場で作品が上演されている首都圏とは違い、Noismが誕生するまでプロの舞踊家の作品に触れる機会が少なかった新潟。「観る」頻度が高かったとはいえない土地での活動に、懸念はなかったのでしょうか。

 「来ることに違和感はまったくありませんでした。農業の例もそうですが、本来質の高いもの、味わい深いものを作るためには、まず土を耕して、選び抜かれた種をまいて、時期が来るまで丁寧にケアして…と、長い時間とエネルギーをかけないといけません。そういう場所は地方の方が断然あるんです。東京は市場です。誰も市場で野菜は育てないでしょう。今まで新潟の人たちは、東京よりも舞台芸術に触れるチャンスが少なかったかもしれない。しかし、舞台芸術にはそういう過度な情報にさらされてない人がどう感じたかというのはすごく重要なことです。勿論専門的知識を持った人の感想や、見巧者(みごうしゃ)の感覚も重要ですが、東京のように人口も溢れていて、同感覚の人達の間で集まって評価し合っているようでは、舞台人は自らの可能性を広げていけないんです。それに未開の地で活動を始める方が、舞踊団と観客が一緒に成長していくことが出来るし、独自の文化を築きやすい。だから東京よりも地方の方が可能性があるんだけれど、地方に住んでいる人達の方が東京化を目指しているような気がします。東京なんて気にしなくていい、新潟の方が可能性に満ち溢れている、それは断言できます」

 それは設立から10年経って、まさに金森さんが改めて実感していることでもあるようです。「10年前から我々の公演をずっと見続けてくれている人たちと共に歳を重ね、新潟という街の変化を共有し、舞台作品についてや、新潟について意見を交わすこともある。そうやってお客さんと一緒に築き上げていく感覚があるんです」。そんな風に応援してくれる人たちがいることで「その人たちを驚かせたい」「感動してもらいたい」と思う。作品が誰に対して向けられて、自分たちの活動が誰によって支えられているのかということを意識化することでしか、見いだせないものがあるとのこと。「だから私は劇場文化を通して、新潟という地域の発展と成熟を目指しているし、観客の皆さんと一緒にそれを実現させることに意義を感じています」

Noism誕生から10年の軌跡

 「発足から10年とはいえ、まだまだ祝う気持ちにはなれません。これからですよ」

 Noism2は5年目を迎え、新潟市歴史文化博物館でのプロジェクションマッピングとのコラボレーション公演をはじめ、新潟市の文化事業としての依頼が今年から始まった。金森さんと新潟を拠点に活躍する人々との公開対談企画「柳都会」は11回を数え、副芸術監督である井関佐和子さんのファンクラブが市民の間で立ち上がるなど、舞台を越えてNoismの活動は広がりを見せています。

 「10年のなかで一つ重要なのは、研修生カンパニーであるNoism2を2009(平成21)年に設けたことですね。若い子達がまずNoism2に入って自分が養ってきた知識とプロの現場がどう違い、新潟の街でNoismとして活動するとはどういうことかというのを2~3年経験したうえでNoism1にあがってくる。その段階はすごく重要ですし、Noism1が世界に向けて活動する分、ローカルな活動を充実させることにも繋がります」

 しかし、まだ思い描く劇場文化の道は半ば。節目というよりも、ようやくこれからスタート。「どうやったら新潟市の文化として根付かせられるかということは、常に考えています。さらにNoismが認知され、もっと集中して世界に通用するものを定期的に作るためには、より体制を充実させなければなりません」

 そして金森さんがこの10年で気がかりだったことが、他の地域にレジデンシャルカンパニーが誕生しなかったこと。「劇場専属舞踊団が他の自治体にもできて、『新潟のあのやり方はないよね』とか『参考にしよう』とかそういう相対化が必要だと思います。そうやって相対化することでしか、人は自ら手にしているものの価値に気付けない。それに文化は地域を越えたり、分野を跨いだりして刺激し合わないと成熟していかないのです」

Noism対談企画『柳都会』第8回より 撮影者:遠藤龍
毎回新潟を拠点に活躍している方をゲストに招き、金森さんが対談を繰り広げる。第8回は新潟・市民映画館シネ・ウインド代表齋藤正行氏。

Noism設立10周年記者会見の様子 撮影者:遠藤龍
2014(平成26)年4月に結成10周年を迎えたNoism。この日、山田勇気さんのNoism2専属振付家兼リハーサル監督就任も発表されました。

衝撃を与えた10年目の新作『カルメン』

 積み重ねてきた10年を経て、2014(平成26)年6月に発表された作品が劇的舞踊「カルメン」。大きな反響を呼ぶと同時に、知名度の高い原作と、プロの舞台俳優の起用がこれまでになかった演劇的な演出として話題を呼びました。

 「10年間様々な作品を創作してきましたが、劇的舞踊『カルメン』では役者と舞踊家が一つの舞台を共有することで、新たな舞台芸術を生み出したかった。それは舞台芸術の可能性であり、劇場文化の可能性なんです。毎回作品を創るときに、今この時代・今この瞬間・今この国に何を放つべきかということを考えます。どうしたら我々の活動、そして作品が現代社会に対して価値あるものになるかを常に考えています。現代の日本では舞踊を見に行く人は演劇を観ないし、演劇を観る人は舞踊を観ない。あるいはコンサートに行く人も、なかなか舞踊や演劇の公演に足を運ばない。だから今回ビゼーの有名なオペラ音楽を使うことで、音楽ファンも気になる、役者が出ることで演劇ファンも気になるといったように、ジャンル分けができないような舞台芸術を創作したかった。それと舞踊よりも演劇の方が劇場文化や舞台芸術の社会的意義について議論したり考えたりしている人が多いという現状がある。事実私が帰国してから観た舞台芸術作品では、舞踊よりも演劇にひかれることが多いんです。それが結果として今回のカルメンのような形で舞踊×演劇の作品となっている面はあるでしょうね」

Noism1&Nosm2合同公演 劇的舞踊『カルメン』(2014年) 撮影者:篠山紀信
オペラでよく知られる従来の『カルメン』の物語をなぞるのではなく、メリメの原作小説とオペラの脚本からオリジナルの物語を創作。旅する学者の視点で語られるまったく新しい「カルメン」が発表されました。

劇的舞踊『カルメン』リハーサル風景(2014年)撮影者:遠藤龍
Noismのメンバーは週5日から6日稽古を行い、本番に備える。りゅーとぴあ内に優先利用できる稽古場があることで、継続して質の高い練習を行うことができ、個々のスキルアップ・作品の向上へと繋がっています。

 

file-81 舞踊芸術の世界(前編)~新潟に劇場文化が根付くことを目指して~

  

新潟に劇場文化が根付くことを目指して

10年を迎えて、今後のNoismの展望

2014年 Noism2×プロジェクションマッピング

Noism2×プロジェクションマッピング『Painted Ghost』 会場:新潟市歴史博物館みなとぴあ 撮影者:遠藤龍
信濃川沿いにたたずむ荘厳な建物一面にプロジェクションされる映像とのコラボレーション。
    

    
こどものためのからだワークショップ 潟キャンペーン 水の潟ログ 撮影者:遠藤龍

こどものためのからだワークショップ(潟キャンペーン『水の潟ログ』関連企画) 撮影者:遠藤龍
ワークショップは創設当時より実施している取り組みの一つ。

 「少なからずNoismという名前が浸透してきていることは実感します。しかしまだまだ我々の活動を知らない、舞踊芸術の可能性を知らない市民が多くいる。ですからNoism2は学校への出張公演、市内イベントへの積極的参加を通して地元での認知度をもっと上げていく必要がある。そしてNoism1は『じゃあ1回くらいプロの公演に行ってみるか』ということで来場した市民(観客)をその1回でどれだけつかめるか、それが勝負です。もちろん観客全員が気に入ってくれるとは思わないし、我々は古典的なもの、既存のものを上演しているのではなく、毎回新しい作品を創造していますから、アタリもハズレもあるでしょう。でもその奥にある『あ、こいつら本気なんだな、趣味でやっているのとは違うな』というのは、どんな人にも届けられるように。改めてメンバー一同全身全霊で臨みたいと思っています」
 そして金森さんが次に思い描く構想が「Noism0(ゼロ)」と「スクール」。「ゆくゆくは、舞踊や演劇、音楽などの経験を積んだプロ中のプロが集うNoism0を立ち上げたいと思っています。お客さんの『もっといいものを見たい』という気持ちに応え、熟練したメンバーが切磋琢磨し合う登録制のカンパニーです」
 スクールは、舞台芸術を総合的に学べるスクールをつくりたいとのこと。「劇場文化を担う専門化の育成には、舞台芸術の様々な要素を学ぶ必要があります。卒業後に劇団に所属しようが、舞踊団に所属しようが、ミュージカルに出ようが、舞台の制作者になろうが、トレーナーになろうが、劇場文化の様々な側面を体験、学習することは必ず役に立つことでしょう。そしてプロになるための道筋を設けることは、子供達にとっての明確な目標、夢へと繋がります」。海外では一般的なこの概念は、社会制度としての劇場文化があるからこそ可能なこと。そういった制度がある上で、趣味で楽しむかプロとして生きていきたいかの選択ができ、成熟した劇場文化が生まれると金森さんは考えています。
  

新潟から放つ最新作

Noism第11シーズン公演 ASU~不可視への献身 イメージビジュアル

次回公演『ASU~不可視への献身』イメージビジュアル
Noism 11thシーズンの幕開けに、前作劇的舞踊『カルメン』のような物語性ある作品とは対極ともいえる舞踊作品を今まさに創作中。ISSEY MIYAKEの宮前義之氏が衣裳を担当。

 そして現在2014年12月に控えているNoism1の新作公演が『ASU~不可視への献身』。
 第一部の『Training Piece』では、日頃Noismのトレーニングで行われている『ノイズム・メソッド』『ノイズム・バレエ』が作品にアレンジされ、発表されます。「この10年の間に、Noismのトレーニングが見たいという要望が結構あったのですが、トレーニングはあくまでも舞踊家のためのものですし、高い集中を要するので公開は難しかったんです。でも10年の節目に、一度作品化してお見せするなら良いかなと考えました。それに今は日本でもヨーロッパでも、トレーニングをしない舞踊家が増えています。ですから『こういったトレーニングをしています』ということが作品になるのも、ひとつの時代性ですね」
 第二部ではアジアの中央、アルタイ共和国の喉歌(のどうた)という、2000年以上前からある歌唱法による音楽を用いた『ASU』が発表されます。「舞踊芸術の根源、野性的身体の深淵、その精神性を、消えた民族の叙事詩として創作できないかと考えています。あと、これからはアジアなんじゃないかと本気で思っています。ここでいうアジアとは東アジアのことではなく、最古の文明メソポタミアより東に生まれた文明文化、すなわち西洋発信の近代化以前の文明文化のことです。現在日本にある様々な文化のルーツは大陸に由来しています。勿論我々日本人も太古の時代に大陸からきた訳です。ですから我々が自らの身体の深淵に下りていく時、そのルーツである中央アジアの喉歌に惹かれるのは必然なのでしょう。そして自分たちのルーツを探っていくことによって、現代社会において失われたものを見いだしたいと思っています」

  

Noismが考える新潟独自の文化

 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 外観
 

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
Noismが拠点としている、1998(平成10)年に誕生した芸術文化会館。劇場として、公共空間として、芸術文化活動の場として広く市民に親しまれています。

 新潟とNoismと劇場文化。それらは金森さんの中でどう結びつき、どのような方向性を持って今後描いていこうとしているのでしょうか。
 「我々が身体と向き合った結果、新たな表現が、新潟で生まれることが重要。しかも新潟という土壌は日本海の向こう岸、大陸に向かって開かれている。そういう地理的な面も踏まえて、私たちがアジアの方に向いて、そのルーツにさかのぼろうとしているのは必然でもあるといえます。西洋発祥の舞踊を日本で、新潟でいかに自分たちの文化として発展・持続させていくのかが我々の活動だし、その一つの表現方法が作品を通して現れてくるという感じです」
 Noism1に関しては設立当初から一貫して、自信を持って世界に発信できる新潟の舞踊芸術を創ることを活動理念にして来ました。「それはもう揺るがないし、これからも突き詰めていくことです。ただし今後はそれを新潟の文化として根付かせていく必要があります。Noism2のローカルな活動もくわえて、新潟独自の劇場文化が東京を経由せずに世界に発信される。それは日本という国における新たな劇場文化の可能性を新潟が開示するということ、新潟から日本を変えるという大きな夢なんです」
 さらに2014年6月、金森さんは新たに新潟市文化創造アドバイザーに就任。舞踊をはじめ劇場文化が新潟に根付いていくように、さらに活躍の場を広げています。「新潟はもっと、新潟独自のことにこだわらないと。東京の真似ではなく、他の自治体が驚くようなものを絶対発信できます。もっと自信を持って、魅力的な街づくりをしていきたいですね」

<参考ホームページ>

▷ ・Noism公式サイト

 

file-81 舞踊芸術の世界(前編)~県立図書館おすすめ関連書籍~

  

県立図書館おすすめ関連書籍

「もっと詳しく知りたい!」、「じっくり読みたい!」という方、こちらの関連書籍はいかがでしょうか。以下で紹介しました書籍は、新潟県立図書館で読むことができます。貸し出しも可能です。ぜひ、県立図書館へ足をお運び下さい。

▷『そこにある、Noism 新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ専属舞踊団』

(村山賢著/新潟日報事業社/2011年)請求記号:N/769/Mu62
エネルギーに満ち溢れ、今にも動き出しそうなメンバーの写真が表紙のこの1冊は、「はじめに」で著者が記すように、「リハーサル見学から公演までを目にして、また、金森穣という男と触れ合った時間と感触をあるがままに、そして、感じたままに言葉の群れとして記し」ています。記録や評論ではなく、短い小説、または随筆、詩のスタイルで描かれる風景は、Noismの公演をご覧になったことがない方にも、その純粋さや情熱を感じさせてくれます。Noismに触れてみたい、というきっかけを与えてくれる1冊です。

▷『G.F.G.S. MAGAZINE』

(G.F.G.S.編集部編・発行/2013年)請求記号N/051/G39/1
加茂市で町内の工場が協力し合い製造・販売しているカットソーメーカー、「G.F.G.S.」が発行した雑誌の創刊号です。「服も作るが、本も作る」、しかしその1冊はロングインタビュー3本を収めた読み応えのあるものになっています。その巻頭は「金森穣5万字インタビュー」。前掲の『そこにある、Noism』著者の村山賢氏も同席し、編集長の小柳雄一郎氏によるインタビューは、金森穣氏のNoismへの思い、舞踊への情熱を惜しみなく記し、Noismと金森氏への期待を否応なしに高めてくれます。写真とともに大きく記された「新潟市はノイズムを必要としているんだろうか?」の問い。その答えは、ご自身でNoismをご覧になると見つかるかもしれません。

▷『どうせダンスなんか観ないんだろ!? 激録コンテンポラリー・ダンス』

(乗越たかお著/NTT出版/2009年)請求記号:769/N96
自称「ヤサぐれ舞踊評論家」の著者が、コンテンポラリー・ダンスの楽しさや見方について、わかりやすく、時には激しい口調で解説します。各国のダンスフェスティバルの審査員などもつとめる著者が、『シアターガイド』などの雑誌に連載したエッセイに加筆修正した本文を、楽しく読み進めながらダンスの歴史や必要な知識も理解することができます。また、のべ20カ国以上を巡り、「日本のメディアではあまり取り上げられないが、世界的に重要またはブレイクが期待される国」(例えばイスラエルやフィンランドなど)などのダンス事情もわかります。すでにダンスを見に行っている方にも、これから見たいと思っている方にもおすすめです。
そして、「ダンスなんて自分には合わない」と思っている方には、著者はこう書いています。「『これは私のためのダンスだ』と思えるような出会いは必ずある。必ず、だ。」


ご不明の点がありましたら、こちらへお問い合わせください。
(025)284-6001(代表)
(025)284-6824(貸出延長・調査相談)
新潟県立図書館http://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/

 

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