春、桜前線が到来すると、大河津分水路堤防にソメイヨシノが一斉に咲き誇ります。その川の流れと桜の美しさは例えようもなく、日本さくら名所百選の一つとして有名です。
その満開の桜並木の下で、信濃・桜・分水の三太夫が絢爛豪華な衣裳に身を包み、高さ15cmの高下駄を履き、総勢60名を超える付き人を従え、分水独特の外八文字歩きを披露する様は「越後の夢道中」と言われます。
おいらん道中は、大正13年頃から花の時期に観桜客へのおもてなしとしてはじまった町の有志による仮装行列が起源とされています。昭和9年には「分水路花の会」が発足、昭和11年からは花にちなんだ行事を考案し「おいらん道中」が計画されました。途中、戦争や大火により中止した年があったものの、令和7年4月には、第80回目の開催を迎えます。開催日当日には、1万5千人を超える観覧客が集まり、大いに賑わうなど、その伝統が受け継がれています。
おいらん役は、衣裳やかつら等を合わせて30kgにも及ぶ重量のものを身に着けるため、忍耐強さや足腰の強さ等が要求されることから、華やかさだけではなく、その力強さも見どころです。おいらん役は、公募により決定しており、全国から多くの応募が集まります。
開催年によっては、観光客との記念撮影に応える「染井吉野太夫」や、前夜祭のおいらん「夜桜太夫」が登場します。
画像提供元:燕市観光協会