出雲崎の名主の長男として大切に育てられた良寛は、豊かな感受性を純真さから、世の中の不条理やはかなさを嘆き、名主見習いの役を辞職したと推察されています。
しかし、出家してからも家族への温かい想いは変わらず、名主を継いだ後、所払いとなった弟“由之”へ宛てたとされる「母の故郷の佐渡ヶ島にいつでも見守っている」という歌に、弟を気遣う心が表れています。
良寛は子どもに優しく、度々一緒に遊んでいたことは広く知られていますが、ただ子ども好きというだけではなく、嘘のない子どもの姿と接することで良寛自身も、孤独な修行の中での休息を楽しんでいたのではないでしょうか。
生涯、寺と弟子を持たず、托鉢によって日々を送り自然を愛し、子どもらを愛し、清水のように生きた良寛。良寛の限りなくおおらかな人間愛と芸術性の高い数々の詩歌や書が多くの現代人の心をとらえて魅了しています。
そして、この地には良寛の過ごした五合庵など数々の遺跡とともに、良寛の温かい心が、今も人びとに伝わってきます。
出典:良寛記念館
提供元:出雲崎町観光協会
画像提供元:出雲崎町観光協会