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file-27 新潟のおいしいお米 「コシヒカリBLってなんですか?」



コシヒカリBLってなんですか?
 
 
品種改良の交配作業①
 

品種改良の交配作業①
 稲は自家受粉するため、母親になる株を花が開く前にお湯に浸して強制的に開花させる。この行程で開花しなかったものを一粒ずつ鋏で切り落とさなければならないため、交配作業は人海戦術となる。(県作物センター)  

 
 
品種改良の交配作業②
 

品種改良の交配作業②
 開花した粒だけとなった母親株に、父親株の花粉をまぶす。この時別の株の花粉が飛んで来ないよう風のないところでの作業するため、スタッフは汗だくだ。(県作物センター)  

 
 

 コシヒカリといもち病の抵抗性遺伝子を持っている稲を掛け合わせ、いもち病抵抗性遺伝子を残すようにしながら従来のコシヒカリを繰り返し戻し交配を行って作った品種がコシヒカリBL(BLはいもち病の英名Blastの頭2文字)です。
 
 コシヒカリにとって、最大の弱点は、稲につくカビの一種がひきおこすいもち病に弱いことでした。いもち病は、昔から稲作の最大の敵として知られ、特に夏場の日照不足や低温で発生しやすくなります。いもち病に強いコシヒカリを作ることができれば、収量が安定すると同時にいもち病の防除薬剤を減らすことができ、低農薬、低コストの安定した米づくりが可能になります。
 
 新潟県は1986(昭和61)年から開発に着手し、いもち病の抵抗性の違いによる10種のコシヒカリBLを品種登録しました。そして首都圏などで食味テストを行い、従来コシヒカリと同等という評価が得られた後の2005(平成17)年、新潟県が供給するコシヒカリの種籾をコシヒカリBLに切り替えたのです。農産物検査法においてコシヒカリBLと従来コシヒカリは、目視による外観形質の判別ができないため、いずれも「新潟県産コシヒカリ」として銘柄設定され、JAS法においては従来通り「コシヒカリ」と表示して出荷されることとなりました。
 
 この切り替えによって農薬使用量は新潟県全体で25%程度(導入前の2004(平成16)年から2007(平成19)年の値。全農出荷量から推定)の削減がなされました。他県では宮城県がササニシキにいもち病抵抗性を持たせたササニシキBLを「ささろまん」として品種登録しましたが、認知度が上がらなかったことなどから作付面積が伸びなかったという例があるほか、富山県では独自に育成したコシヒカリBLを特別栽培米にあてています。こうした動きは全国で広まっていますが、全県で一斉に切り替えた例は新潟県しかありません。
 
 首都圏での大々的な食味テストや事前告知、説明会の開催、種籾の確保など、全面切り替えには大きなコストがかかっていますが、これを断行したのにはわけがあります。一つはBLの導入で農薬の削減と農家のコスト削減ができること。より高い効果を上げるには作付面積を一気に増やすのが有効です。新潟県はコシヒカリの作付面積が8割近くあり、いもち病に対しては他県より脆弱な環境にありました。いもち病の菌は空気中に常に存在し、胞子で広まるため環境が整えば大発生する恐れがあります。もう一つはスムーズな導入が行われない場合、新潟コシヒカリのブランド力、ひいてはコシヒカリ全体の評価を下げてしまいかねないという危惧がありました。
 
 新潟県が持つ10種類のコシヒカリBLは、いもち病が耐性を持つのを防ぐため、毎年この中から数種類をブレンドして種籾として出荷されます。「(いもち病に)すこぶる強いのを7割、そこそこに強いのを3割」(県作物研究センター)というブレンドもいもち病に耐性ができるのを防ぐためです。混ぜて植えられるため、一部にいもち病が発生しても広がる恐れは少なく、たとえ大発生しても7割の収量は確保できるという考え方です。
 
 導入後、従来のコシヒカリと品種、味ともに同じとしていること、新潟県で供給される種籾が、コシヒカリではBLのみに限定されていることへの抵抗感を持つ農家、消費者もおり、一部では県外から種籾を購入して「従来コシヒカリ」として販売している生産者も存在しています。
 

 

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