新潟の地域文化を紡ぎ繋げる 新潟文化物語

文化の丁字路~西と東が出会う新潟~

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file-72 にいがたのふるさとかるた

  

自然・食・歴史、色彩豊かに発信

山の四季再現 表現力開花

 「春日山じまんカルタ」(上越市)に描かれているのは、地元の小学生が五感でとらえた春日山の四季です。上杉謙信の居城・春日山城跡の豊かな自然と歴史が見事に再現されています。
 「よ」の札は、初夏の夜を彩るホタルの光と、釣り鐘型の白い花「ホタルブクロ」が組み合わせられ、幻想的な絵柄が目を楽しませます。「あ」は繊維となる植物「青苧(あおそ)(カラムシ)」がテーマ。青苧が謙信公の時代の経済を潤したとされ、絵札には力強い謙信公の姿と青苧の大きな葉っぱが描かれています。
 制作したのは上越市春日小学校の4年生約120人です。2012年度、雪解けの時期から再び冬を迎えるまで何度も山に登り、動植物や史跡を観察しました。子どもたちの目に写ったのは、癒やされるような桜のピンク、元気が出るビタミンカラーの緑、燃えるような紅葉の赤。自然に触れるたびに成長していく子どもたちの表現力をあますことなく形にしようと、学習の成果を四つ切りの厚紙を使って、かるたにまとめました。作品は2013年度に市内8カ所でお披露目した後、校内に展示しています。
    

絵札「よ」

「よ」の絵札。ホタルブクロにホタルがとまっている構図は、「ホタル」になぞらえて、子どもたちが想像して描きました。

絵札「あ」

「あ」の絵札。元気いっぱいに描かれた青苧と謙信公。子どもたちは青苧の着物を見たり、歴史に詳しい地元の大人に話を聞き、青苧の歴史を肌で感じました。



方言の良さと昭和の風景との融合

新潟弁かるた

新潟弁かるた(税込み2600円)。桐箱入りで札が取り出しやすいよう、工夫も施されています。
問い合わせは新潟活版所:
025(283)4195(平日9時-18時)

 「新潟弁かるた」(新潟市)には、昭和の風景と新潟弁の親しみやすい会話がつづられています。新潟市の下町生まれの佐藤聖峰さんが方言の良さを後世に伝えようと手掛けました。「敬語から方言に変えると、相手との距離を一歩進められる。ぐっと友達になれるっていうのかなぁ」と語る佐藤さん。幼い時に遊んでいたかるたを作ろうと思い立ったそうです。
 絵札に協力したのは新潟市のイラストレーター・くりはら淳子さんです。佐藤さんがくりはらさんの個展で本人に声を掛け、タッグを組むことに。何度も相談を繰り返し、試行錯誤の上完成しました。銭湯(せんとう)の煙突、町を歩く豆腐売りなど懐かしい光景が、温かみのあるタッチで描かれ、方言の柔らかさと融合しています。かつて万代橋近くに打ち上げた花火を描いた1枚は「わいやー(ものすごい)と さけんでしまう 川開き」と、勢いある方言で感動を伝えています。さらにユニークな1枚も。「らろも そーらろも おっかねっけ(だけれども そうだけれども 怖い) 付いてきて」。夜に起きた子どもが便所に付いてきて欲しいと親にせがむ場面です。かつての和式便所は暗くて怖いもの。誰しも経験があるのではないでしょうか。
 かるたは2009年に完成。長持ちするよう、厚手の丈夫な紙で作り桐箱に詰めました。子どもからお年寄りまで幅広い世代に好評で、第11回新潟市土産品コンクールで金賞を受賞しました。「一家一家に置いて、長く使ってもらえたら」。佐藤さんの願いが込められています。  

郷土の偉人・技術・遺産 一堂に

つばめっ子かるた

つばめっ子かるた(税込み1000円)。読み札は地元の書家・長谷川白楊さんが担当しました。
問い合わせは燕市教育委員会生涯学習課:0256(63)7002
(平日8時30分-17時15分)  


旧浄水場配水塔絵札

旧浄水場配水塔の絵札。配水塔は2013年に国の登録有形文化財となりました。

 燕市の「つばめっ子かるた」は温かみのある絵札が郷愁を誘います。2006年に合併した燕市の一体化を図る「燕はひとつプロジェクト」の一環で作られました。原画を手掛けたのは新潟市出身の絵本作家・黒井健さんです。絵本「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」などで知られる黒井さんが、燕市を取材して描きました。
 読み句は市民から寄せられた530点の中から選ばれた44句。華やかなおいらん道中や、燕市が世界に誇る洋食器などが詠まれ、偉人も多く登場します。良寛様をはじめ、鎚起銅器(ついきどうき)の名工で人間国宝の玉川宣夫さんらが名を連ねます。
 また、かつて新潟と燕を結んだ新潟電鉄の通称「かぼちゃ電車」の姿も。絵札の中では黄色と緑色の懐かしい車体で快走を見せます。今も市民から愛されている旧浄水場配水塔の札も秀逸です。昭和前期から街の移り変わりを見守ってきた配水塔。夕景に浮かび上がるその姿は、人々の心の風景ともいえそうです。  

    










  

郷土料理と地元食材で健康願う

2008佐渡食育かるた

2008佐渡食育かるた(販売はしていません)。
問い合わせは佐渡地域振興局健康福祉環境部地域保健課:
0259(74)3403(平日8時30分-17時15分)  

 作業中の推進員さん  

原画に色を塗る推進員の皆さん。一枚一枚丁寧に仕上げました。  

 佐渡市の食文化と健康づくりをテーマに作られた「2008佐渡食育かるた」。絵札には島ならではの郷土料理や、栄養たっぷりの地元食材が描かれています。新潟県食生活改善推進協議会佐渡支部が「子どもたちに遊びながら食育を学んでもらおう」と2008年に作り、市内の小学校や幼稚園などに配りました。原画のデザインや色塗りは推進員が子どもたちの成長を願いながら、手がきで仕上げました。
 読み札は「さどの海 おいしい魚のとれるとこ」、「芽かぶはね ワカメの根っこ うめーなぁー」といった海の幸にちなんだものが目を引きます。佐渡のシンボル、トキが舞う里でとれる美味しいお米も絵札になりました。端午の節句に食べる、カヤの葉で包んだ団子「たいごろ」、金太郎飴のように切って模様が楽しめる円筒形の団子「やせうま」など、地域に親しまれてきたお菓子などが幅広く紹介されています。
 読み句には管理栄養士さんによる解説が付いていて、歯みがきや朝ごはんの大切さも詳しく伝えています。「食いしん坊 おかわりしすぎて 太りすぎ」「とうちゃんのメタボ 気づかい 歩きます」などは、正月で食べ過ぎた大人にとっても耳が痛くなる句です。食育かるたを通じて食卓の会話が弾みそうです。

伝説や祭り 地域の宝発信

まちしるべかるた

まちしるべかるた。販売はしていませんが、貸し出しを受け付けています。
問い合わせは柏崎青年会議所:
0257(21)4412(平日10時-16時)

子どもたちが描いたふるさとの魅力展

2010年に開かれた「子どもたちが描いたふるさとの魅力展」。子どもたちが地域の宝をのびのびと描いています。
  

 「まちしるべ」という言葉をご存じでしょうか。柏崎青年会議所は、伝説や偉人にゆかりある場所に石碑を建て、「まちしるべ」と名付けて“柏崎地域の宝”を発信しています。「まちしるべかるた」もその一環で発案されました。2010年9月、「子どもたちが描いたふるさとの魅力展」に出品された1152点の中から、来館者がお気に入りを選んで投票しました。投票数が多かった50点を絵札にして、読み句を付けました。
子どもたちが描いた“地域の宝”はさまざま。まず紹介するのは「かしわの大樹」です。古くから漁師の目印となり、柏崎の名前の由来とされています。また、貧しい老婆に弘法大師が塩水を出してみせたという伝説も、想像力豊かに描かれています。「え」の句はもちろん、子どもが大好きな「えんま市」。出店と笑顔の人々でにぎわう様子が色鮮やかにとらえられています。ぎおん祭りの絵札も華やかです。海上を彩る光の大輪が夏の楽しさを伝えます。かるたに描かれた地を訪ね歩くのも一興ですね。



日常から行事まで 方言満載

せいろうことばかるた

せいろうことばかるた(税込み1000円)。CD付きで1人でもかるたを楽しむことができます。
問い合わせは町民会館:0254(27)2121(午前8時30分-17時)

大判かるた取り大会

縦80センチ×横60センチの大判かるたで遊ぶ子どもたち。元気に走り回って競い合います。

 聖籠弁がぎっしり詰まった「せいろうことばかるた」は、方言のイントネーションを伝えるCDが付いています。もともと、お正月に大人と子どもが昔なつかしい遊びで一緒に楽しんでもらうイベントを行っていた町民会館を中心に、住民がオリジナルのかるた作りを発案。次第に消えゆく昔ながらの言葉を残そうと、2011年から文章を集め、絵札は親しみやすいタッチで描きました。完成したかるたはさっそく、2012年1月のイベントから活躍しています。
 読み句は町誌にある聖籠弁一覧をもとに作りました。「えごいもの 入ったのっぺを かもしなせ(里芋の入ったのっぺ汁を かき混ぜてください)」、「らんらんと 光る目おっかね 神楽獅子(らんらんと 光る目が怖い 蓮潟神楽の獅子舞)」-。日常の何気ない会話から、地域の伝統行事を織り込んだものまで、幅広く方言を集めました。中には思わず顔がほころんでしまうようなかわいい絵札もあります。例えば、「みよけたら ひよこがこったま めんごいな(卵から孵(かえ)ったら ヒヨコがたくさん かわいいな)」。画面いっぱいのヒヨコたちの鳴き声が聞こえてきそうです。
 CDの声に協力したのは地元の女性で、生粋の聖籠弁で協力してくれたそうです。CDを流せば、方言のイントネーションがわからない人も読み句を練習できます。県内各地のかるたを集めて、方言を比べるのも面白いかもしれませんね。
 


<参考ホームページ>

▷ ・日本郷土かるた協会ホームページ
※この情報は2014年1月現在のものです。

 

■取材協力
桜井俊幸さん(魚沼市小出郷文化会館 館長)
坂牧賢吾さん(魚沼市市民課文化振興室)



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