縄文時代中期~後期の遺跡で、昭和43年の土地改良事業によって旧畑地の大半が水田化されたが、指定された部分は畑地をして残っていて、中央部はやや小高い丘となっている。平成5年、道路改修による一部確認調査を実施したところ、土器片が出土し、また建物の柱の跡等が確認された。しかし遺跡全体の大きさなど全容は不明である。遺跡名のもととなった一本杉よばれる老木がここにあったが、平成5年12月の風により中間から倒壊した。現在は一部が史跡公園として保存されている。ここには「種満堂と蛇崩れ」伝説が残っており、昔から石鏃や石斧が多く出土している。
種満堂の一本杉と蛇崩れ
蛇崩れは黒滝城跡の南東にあり、半面ほとんど崩れて険しく、絶好の防御線をなした所で、蛇が住んでいて、このように崩したのだという言い伝えがある。毎年3月9日の朝8時ごろになると、山の神(天狗)が集まって水晶石で魔よけの矢の根石を作り、種満堂の一本杉を的にして投げ込む。そんなことがあるものかと百姓の本田良左衛門が早朝鍬を持って種満堂の畑へ行き仕事をしていたら、蛇崩れの方からうなるようなものすごい音が聞こえてきて、鍬の柄にガチリと矢の根石が突き立ったので顔色を変えて逃げ帰った。
今も地元の人は3月9日を山の神の祭りとして仕事を休み、団子餅などを作って畑には出ない。翌日朝早く起きて我先にと争い、矢の根石を拾う例になっている。
出典:『弥彦村の文化財』
提供元:弥彦村役場産業振興課観光商工係