白山媛神社(しらやまひめじんじゃ)

聚感園(しゅうかんえん)から、群生する石蕗(つわぶき)や藪椿を見やりながら高台に出ると、急に視野が開け、旅館の建つ街並や港が一望のうちに見渡され、夢の島佐渡も手に取るように眺められます。この台地に建つのが、寺泊の総鎮守白山媛神社であります。花崗岩の大鳥居から一二五段の石段上、海抜三〇メートルの所に位置します。氏子たちは、この神社を「はくさんさま」とか「おおみやさま」と呼んでいますが、寺泊の鎮守さまとして古来町の人々に親しまれ、尊崇されてきました。町の人たちは”はくさんひめ神社”と呼んでいますが、正しくは”しらやまひめ神社”といいます。
昔は神仏混淆(こんこう)の形で「白山大権現」ともいい、別当は代々胎蔵院の山伏でした。これは加賀の白山信仰に基づくものと思われます。ご祭神は伊弉冊尊(いざなみのみこと)と菊理媛命(くくりひめのみこと)で、国家安泰と海上安全、地方開発の神として崇められてきました。神域には社殿をはじめ、住吉神社、二面神社(にめんじんじゃ)等の末社が並び、寺泊の船絵馬(てらどまりのふなえま)収蔵庫、忠魂碑が建っています。
白山媛神社の創建年代は不詳ですが延長五年(九二七)の「延喜式内神名帳」には神社名が見えないため、この時代には存在しなかったと思われます。神域内の二面神社は、明徳二年(一三九一)創建との言い伝えがありますから、この年以前には鎮守さまとしての社殿があったのかも知れません。今の社殿は明和八年(一七七一)に再建されたものです。
神社の祭礼は五月三日、四日と九月十五日です。秋祭りは神事のみが静かにとり行われていますが、春の大祭は神輿の渡御があり、十万石の格式という大名行列が海岸の町内を練り歩きます。昔は「いわし祭り」とも言って、浜は鰯の大漁で活気づき、街はむせかえるような雑踏であったといわれますが、伝説は今も受け継がれて大賑わいを呈しています。

出典:長岡市寺泊支所地域振興・市民生活課
提供元:長岡市寺泊支所地域振興・市民生活課
画像提供元:長岡市寺泊支所地域振興・市民生活課

所在地

長岡市寺泊大町2768

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投稿者: 新潟県文化課
掲載日時: 2015年4月12日 16:36

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