豆殻太鼓

浄土真宗の開祖「親鸞聖人」の霊廟で有名な寺町の名刹「浄興寺と寺町界わい|浄興寺」の本堂回廊に皮のない胴だけの太鼓が吊されている。これが戦国時代の武将上杉謙信公が寄進したという「豆殻太鼓」である。豆の木で作ったというこの太鼓は、謙信の居城、春日山城にあった。生涯を戦いに明け暮れた謙信が、出陣のたびにこの太鼓を打ち鳴らしたが、その音は非常に大きく、佐渡まで聞こえた。このため日本海沿岸の魚は驚いて、みんな逃げてしまい、漁師たちは生活できなくなってしまった。
そこで漁師たちは相談して、領主の謙信に「私たちの生活のことをお考えいただき、太鼓を鳴らさないようお願い申し上げます」とおそるおそる陳情した。すると謙信は即座に太鼓の皮を破り、胴だけを麓にある淨興寺に寄進した。それ以来、また魚が寄ってきて、漁村に活気が訪れ、人々の生活も安定したという。

出典:
『北國街道研究 7号』
提供元:北國街道の手をつなぐ会 

所在地

上越市

アクセスマップ

投稿者: 新潟県文化課
掲載日時: 2015年4月6日 22:54

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