雪掘り

茅葺の民家と板(木羽・トタンなど)葺きの民家とでは、屋根雪の除雪の方法が異なります。茅葺は板葺きに比べ一般に屋根の勾配が急です。雪掘り支度の足元は、スッペと呼ばれる藁製短沓に雪中歩行用よりも小型のカンジキを履きます。積雪量が1mほどに達すれば雪掘りを行います。たいていは雪が降り止むのを待って行います。気温が上昇して雪が解け気味になる午後に行う場合が多いですが、昼夜降り続ける場合は、天候・時間に関係なく、吹雪の時にでも行わなければなりません。雪掘り(雪下ろし、豪雪地では屋根雪を掘って除雪するのでこう呼ぶ)は、頂上部の棟木(グシ・グレ・ワルなどと称する)から始めます。まず、棟の両側のヒラの積雪が互いに引き合うのを防ぎ、滑り落とし易くするために切り離します。その後は、雪の荷重が均等になるように、横に移動し、雪を投げ捨てながら、徐々にコツラ(軒先)の方へと除雪します。
除雪用の民具は、コスキ(木鋤)が永く用いられていましたが、近年、スコップやスノーダンプに取って変わりました。

軒先の雪は、下から長柄コスキを用いて落とします。一方、板葺きの場合は、軒先から逆に棟の方へと除雪していきます。

出典:
『新潟県立歴史博物館ホームページ』
提供元:新潟県立歴史博物館

所在地

新潟県立歴史博物館

アクセスマップ

投稿者: 新潟県文化課
掲載日時: 2015年4月12日 15:37

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