橇(そり)は人が曳いたり押したりして、荷物や人を運ぶ手橇と、馬が曳く馬橇とに大きく分けられます。手橇は古い歴史を持っていて、雪国にとってはなくてはならない民具の一つです。一方、馬橇は明治以降の新しい民具です。
手橇の最も一般的な型は、台木に刳り抜き式のチ(乳、ヤマ・マクラとも称す)を計4個設けた四乳橇です。台木の端がカーブしている部分をハナといい、普通は片方だけにハナがある片ハナです。ハナは削り出しによってつくられますが、根曲りを利用したものもあります。
大型の橇は修羅(しゅら)と呼び、これに大木や大石を載せて曳くことを「大持」と称しています。大概は、一台だけで使用しますが、長尺の木の運搬の際は、材の前後1台ずつ置いて、2台一組にして用います。3月半ばの積雪が堅く締まり、谷や沢が雪で埋まっている間に、この雪を利用して運びます。
出典:
『新潟県立歴史博物館ホームページ』
提供元:新潟県立歴史博物館