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file-30 新潟淡麗~新潟清酒がおいしい理由~ 淡麗辛口の誕生


淡麗辛口の誕生


 「新潟清酒が淡麗辛口」として広く知られるようになったのは、昭和50年代のことです。それ以前の新潟の酒は、甘口でどちらかといえば品質の低い酒という評価が定着していました。明治以降、全国各地の酒蔵へ冬場の出稼ぎへ出る「越後杜氏」は広く知られる存在でしたが、新潟の酒自体の評価は決して高くはなかったのです。そこから評価をがらりと変えた陰には、ライフスタイルの変化に合わせた酒造業界の取組がありました。

 多くの人が農業など肉体を酷使する労働に就いていた時代、消費者は酒に疲れを癒す甘い味を求める傾向がありました。そして当時、県内の酒蔵で造られる酒は甘口の傾向で、当時のニーズに合っていました。しかし、デスクワークが増加するなど労働形態が変化したり、こってりした洋風の料理が食生活に入ったりしてくると、従来とは逆に、酒にはあっさりとした切れの良い味が求められるようになります。新潟清酒の「淡麗辛口」は、そうしたニーズの変化を先取りした取組のもとで生まれました。

 酒の味は、成分の8割を占める水の品質に大きく左右されます。水には大きく分けると、ミネラル分の豊富な硬水と、少ない軟水に分けられますが、江戸時代から知られた産地の多くは硬水で仕込んでいます。硬水で酒を仕込むと旺盛に安定して発酵し、輪郭のはっきりした酒に仕上がる傾向があるため、昔から酒造りに適した水とされてきました。一方、軟水の場合は、発酵が緩慢で不安定となることから、より丁寧な仕込みが求められます。酒造技術や設備の未熟な昔は軟水では良い酒はできないとされていたほどで、ほとんどが軟水で仕込んでいる新潟の酒蔵では、難しい条件を克服しながら技術を磨いてきた歴史があります。

 そして米。現在国内で多く栽培されている酒米は山田錦と五百万石です。山田錦には酒の味がのりふっくらとする特徴が、そして五百万石にはすっきりとした切れの良い味になる特徴があるとされています。山田錦は主に西日本で栽培されており、新潟の気候には適していません。五百万石は1957(昭和32)年に新潟県農業試験場と醸造試験場の連携で誕生した酒米で、現在新潟県内で最も多く栽培されている品種。この五百万石で仕込むため、新潟の酒にはすっきりとした切れの良い味という傾向があるのです。

 水と米、そしてライフスタイルの変化に合わせ、清らかな飲み口を追求した新潟の酒は、丁寧な仕込みと同時に、精米歩合にもこだわりました。米は粒の外側に多く含まれるタンパク質やミネラル分を取り除くほど雑味の少ないきれいな酒になります。新潟では他県と比べると平均で1割ほど多く削った米を使用しています。


◆清酒出荷量上位3県の出荷量推移と全国の総出荷量に占める新潟県産のシェア




◆1989(平成元)年を100とした場合の出荷量


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