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file-81 舞踊芸術の世界(前編)~新潟に劇場文化が根付くことを目指して~

  

新潟に劇場文化が根付くことを目指して

10年を迎えて、今後のNoismの展望

2014年 Noism2×プロジェクションマッピング

Noism2×プロジェクションマッピング『Painted Ghost』 会場:新潟市歴史博物館みなとぴあ 撮影者:遠藤龍
信濃川沿いにたたずむ荘厳な建物一面にプロジェクションされる映像とのコラボレーション。     

    
こどものためのからだワークショップ 潟キャンペーン 水の潟ログ 撮影者:遠藤龍

こどものためのからだワークショップ(潟キャンペーン『水の潟ログ』関連企画) 撮影者:遠藤龍
ワークショップは創設当時より実施している取り組みの一つ。

 「少なからずNoismという名前が浸透してきていることは実感します。しかしまだまだ我々の活動を知らない、舞踊芸術の可能性を知らない市民が多くいる。ですからNoism2は学校への出張公演、市内イベントへの積極的参加を通して地元での認知度をもっと上げていく必要がある。そしてNoism1は『じゃあ1回くらいプロの公演に行ってみるか』ということで来場した市民(観客)をその1回でどれだけつかめるか、それが勝負です。もちろん観客全員が気に入ってくれるとは思わないし、我々は古典的なもの、既存のものを上演しているのではなく、毎回新しい作品を創造していますから、アタリもハズレもあるでしょう。でもその奥にある『あ、こいつら本気なんだな、趣味でやっているのとは違うな』というのは、どんな人にも届けられるように。改めてメンバー一同全身全霊で臨みたいと思っています」
 そして金森さんが次に思い描く構想が「Noism0(ゼロ)」と「スクール」。「ゆくゆくは、舞踊や演劇、音楽などの経験を積んだプロ中のプロが集うNoism0を立ち上げたいと思っています。お客さんの『もっといいものを見たい』という気持ちに応え、熟練したメンバーが切磋琢磨し合う登録制のカンパニーです」
 スクールは、舞台芸術を総合的に学べるスクールをつくりたいとのこと。「劇場文化を担う専門化の育成には、舞台芸術の様々な要素を学ぶ必要があります。卒業後に劇団に所属しようが、舞踊団に所属しようが、ミュージカルに出ようが、舞台の制作者になろうが、トレーナーになろうが、劇場文化の様々な側面を体験、学習することは必ず役に立つことでしょう。そしてプロになるための道筋を設けることは、子供達にとっての明確な目標、夢へと繋がります」。海外では一般的なこの概念は、社会制度としての劇場文化があるからこそ可能なこと。そういった制度がある上で、趣味で楽しむかプロとして生きていきたいかの選択ができ、成熟した劇場文化が生まれると金森さんは考えています。   

新潟から放つ最新作

Noism第11シーズン公演 ASU~不可視への献身 イメージビジュアル

次回公演『ASU~不可視への献身』イメージビジュアル
Noism 11thシーズンの幕開けに、前作劇的舞踊『カルメン』のような物語性ある作品とは対極ともいえる舞踊作品を今まさに創作中。ISSEY MIYAKEの宮前義之氏が衣裳を担当。

 そして現在2014年12月に控えているNoism1の新作公演が『ASU~不可視への献身』。
 第一部の『Training Piece』では、日頃Noismのトレーニングで行われている『ノイズム・メソッド』『ノイズム・バレエ』が作品にアレンジされ、発表されます。「この10年の間に、Noismのトレーニングが見たいという要望が結構あったのですが、トレーニングはあくまでも舞踊家のためのものですし、高い集中を要するので公開は難しかったんです。でも10年の節目に、一度作品化してお見せするなら良いかなと考えました。それに今は日本でもヨーロッパでも、トレーニングをしない舞踊家が増えています。ですから『こういったトレーニングをしています』ということが作品になるのも、ひとつの時代性ですね」
 第二部ではアジアの中央、アルタイ共和国の喉歌(のどうた)という、2000年以上前からある歌唱法による音楽を用いた『ASU』が発表されます。「舞踊芸術の根源、野性的身体の深淵、その精神性を、消えた民族の叙事詩として創作できないかと考えています。あと、これからはアジアなんじゃないかと本気で思っています。ここでいうアジアとは東アジアのことではなく、最古の文明メソポタミアより東に生まれた文明文化、すなわち西洋発信の近代化以前の文明文化のことです。現在日本にある様々な文化のルーツは大陸に由来しています。勿論我々日本人も太古の時代に大陸からきた訳です。ですから我々が自らの身体の深淵に下りていく時、そのルーツである中央アジアの喉歌に惹かれるのは必然なのでしょう。そして自分たちのルーツを探っていくことによって、現代社会において失われたものを見いだしたいと思っています」

  

Noismが考える新潟独自の文化

 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 外観  

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
Noismが拠点としている、1998(平成10)年に誕生した芸術文化会館。劇場として、公共空間として、芸術文化活動の場として広く市民に親しまれています。

 新潟とNoismと劇場文化。それらは金森さんの中でどう結びつき、どのような方向性を持って今後描いていこうとしているのでしょうか。
 「我々が身体と向き合った結果、新たな表現が、新潟で生まれることが重要。しかも新潟という土壌は日本海の向こう岸、大陸に向かって開かれている。そういう地理的な面も踏まえて、私たちがアジアの方に向いて、そのルーツにさかのぼろうとしているのは必然でもあるといえます。西洋発祥の舞踊を日本で、新潟でいかに自分たちの文化として発展・持続させていくのかが我々の活動だし、その一つの表現方法が作品を通して現れてくるという感じです」
 Noism1に関しては設立当初から一貫して、自信を持って世界に発信できる新潟の舞踊芸術を創ることを活動理念にして来ました。「それはもう揺るがないし、これからも突き詰めていくことです。ただし今後はそれを新潟の文化として根付かせていく必要があります。Noism2のローカルな活動もくわえて、新潟独自の劇場文化が東京を経由せずに世界に発信される。それは日本という国における新たな劇場文化の可能性を新潟が開示するということ、新潟から日本を変えるという大きな夢なんです」
 さらに2014年6月、金森さんは新たに新潟市文化創造アドバイザーに就任。舞踊をはじめ劇場文化が新潟に根付いていくように、さらに活躍の場を広げています。「新潟はもっと、新潟独自のことにこだわらないと。東京の真似ではなく、他の自治体が驚くようなものを絶対発信できます。もっと自信を持って、魅力的な街づくりをしていきたいですね」


<参考ホームページ>

▷ ・Noism公式サイト

 

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