file-64 ご当地検定でにいがた探検

  

こんなにたくさん! 新潟県内のご当地検定

トリビアがいっぱい! 地域の魅力再発見

ニイガタ検定公式テキスト第6回入賞作品

公式テキストブックは新潟市の歴史、史跡、観光、文化から食や花などを10ジャンル・約300項目にわたる解説と特集やコラムなどで構成。

 新潟には、不定期開催のものも含めて14あまりの「ご当地検定」があります。地域の歴史や産業に特化したマニアックな検定から、こどもに地域の魅力や歴史を知ってもらうことを目的としたジュニア検定まで、そのバリエーションは多彩です。なかでも一番の開催数を誇るのが「新潟市観光・文化検定」(ニイガタ検定)。新潟県観光復興戦略会議が新潟県全域に提唱しているご当地検定制度「通称:ニイガタ検定」の新潟市編として実施するもので、平成25年11月には第8回目の開催が予定されています。親子(初級)、3級、2級、1級と用意され、2級と3級はマークシート方式になります。ちょっと過去の問題を見てみましょう。

<問>新潟市内で最も高いのは何山か。
A.弥彦山 B.多宝山 C.角田山 D.菩提寺山

<問>信濃川を運航している水上バス「信濃川ウォーターシャトル」の最上流発着場はどこか。
A.県庁前 B.本川大橋 C.新潟ふるさと村 D.りゅーとぴあ

<問>次に挙げる市町のうち、境界線が新潟市に隣接していないのはどこか。
A.長岡市 B.田上町 C.見附市 D.新発田市

検定会場

「ニイガタ検定」の検定会場の様子。平成24年11月の検定には250人以上が参加。1級には11人が合格した。

 以上は第7回検定の3級の問題です。きちんと解けましたか? ちなみに3級は100問・100点満点で70点以上が合格です。(問いの答えは順にB、C、C)

 県内にはその他、ユニークな体験型検定の「胎内検定」(胎内市)や、燕市内の小中学生を対象とした「燕ジュニア検定」、「阿賀町ふるさと検定」、「みつけ検定」(見附市)、「やまこし検定」(長岡市)など、地域の理解を深める検定がたくさん用意されています。

おでかけがもっと楽しくなる、観光・文化の検定

 観光目的にも使える検定もあります。もちろん、ベースは地域理解なのですが、地域自体が観光的魅力に満ちあふれ、地域を知ることが観光・文化をより深く知ることに結びつくものです。難問も多いのですが、いくつかご紹介しましょう。

・「魚沼検定」・「魚沼発尾瀬検定」(湯之谷温泉郷・尾瀬ルート活性化委員会)
<問>北魚沼郡6か町村が合併をして、平成16年11月1日に魚沼市が誕生しました。その面積(k㎡)は、どれに近いでしょうか?
(1) 252(号・国道)  (2) 352(号・国道) (3) 792(局番)  (4) 946(郵便番号)

<問>奥只見ダムは日本最大級のダムですが、水力発電ダムとしての発電量は日本で何番目に大きいでしょうか?
(1) 1  (2) 2  (3) 3  (4) 4

<問>魚沼から行く一番平易な尾瀬沼への入山口名はどれでしょうか?
(1)鳩待峠 (2)沼山峠 (3)大清水 (4)小沢平

魚沼検定テキスト

「魚沼検定」・「魚沼発尾瀬検定」はそれぞれにテキストを用意。魚沼と、魚沼から行く尾瀬をより知ってもらうことを目的にしている。

・「佐渡観光・文化検定」
(佐渡観光・文化検定実行委員会 ※平成24年は休止。25年以降再開予定)
<問>佐渡島の面積を東京都23区と比較するとどの程度か。
(A)東京都23区の1.5倍 (B)東京都23区とほぼ同じ (C)東京都23区の0.8倍 (D)東京都23区の約半分

<問>佐渡の金について述べている最初の書物はどれか。
(A)日本書紀 (B)太平記 (C)今昔物語 (D)更級日記

<問>佐渡には数多くの由緒ある神社仏閣があるが、「あじさい寺」の愛称で親しまれ、小木の小比叡にある寺はどれか。
(A)蓮華峰寺 (B)長谷寺 (C)神宮寺 (D)禅長寺

 この他にも「糸魚川ジオパーク検定」(糸魚川ジオパーク協議会)や縄文、火焔土器をテーマにした全国でも稀有な検定「縄文楽検定」(信濃川火焔街道連携協議会)など、単なる観光の枠を超えたディープな検定も県内には用意されています。

(問いの答えは「魚沼検定」・「魚沼発尾瀬検定」4、1、2 「佐渡観光・文化検定」A、C、A)

新潟が誇る文化の『達人』になる!

 新潟には日本に、いや、世界に誇れる産業があります。県内各地で行われる清酒醸造、県央地域のカトラリー(金属洋食器)生産です。これらは産業というより、もはや新潟の文化の一翼を担っているといえるでしょう。それぞれに検定も用意されていますが(「新潟清酒達人検定」、「カトラリー検定」)、単にそのモノに対する知識だけでなく、歴史からマナーに至るまで、幅広いバックグラウンドもその出題範囲に含まれるのが特徴です。最上位のクラスはそれぞれ「金の達人」、「ソムリエ・クラス」と呼ばれ、それぞれの分野で世界に向けて語れるだけの知識を備えていることが「認定」されます。HPに過去問も多数掲載されていますから、自分の知識の深度を試してみませんか。

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『検定』に込められた思い~ふるさとをもっと楽しくする~

『新潟清酒達人検定』~新潟清酒の楽しみを全国に発信

新潟清酒達人検定テキスト

新潟清酒達人検定の公式テキストブックは、新潟清酒の魅力を多面的に解説。お酒にまつわるさまざまな知識を得ることができる。

清酒達人

合格者を対象にした「達人の集い」も開催される。達人の間で交わされる酒談議は、尽きることなく続くという。

 新潟清酒達人検定協会が主催する「新潟清酒達人検定」は、今年3月で5回目を迎えました。これまでの受検者数はおよそ3,000人以上。金・銀・銅の達人という3クラスが設定され、金の達人が1級に相当します。「もともとは県内の旅館で働く方々に新潟清酒に関する正しい知識を身に付けていただき、県外からのお客様にきちんと新潟清酒を説明できるようにすることが目的でした」と語るのは新潟県酒造組合。しかし検定を重ねるうち、消費者側の受検者がどんどん増えていきます。「銀の達人クラスでも、かなりの難問が出題されます。一部の問題は公式テキスト以外からも出題され、新潟清酒について本当によくわかっていないと合格は難しいレベルです。それでも毎年かなりの方が合格される。すそ野の広がりを実感しています」。今年はさらに旅館などサービス業に働く人に向け、県内8か所での「出張検定」も行う予定だといいます。新潟清酒の魅力の浸透と深化に、検定という手法が活かされています。

 

見て食べて…。ユニークな体験型検定の狙い

胎内検定

「胎内検定」の様子。年により出題数は変わるが、大体15問程度が出される。ちなみに、まだ全問正解者は出ていないという。

 県内で行われているさまざまな検定のなかでも、異彩を放つのが「胎内検定」でしょう。略して「胎検」(たいけん)。鉛筆も紙も使いません。文字通り、たいけん(体験)がメインの検定です。「もともとは苦し紛れのところもあったんですよ」と実行委員会の荒井さん。「検定で地域を活性化しようと思ったのですが、運営に携わる市民サポーターが一人も集まらなかったんです。ある時、別のイベントで○×クイズをやった時に、この形を検定にすればスタッフが少なくても面白いものができるんじゃないか、と気付きました」。平成21年から毎年行われている検定では、例えば黒豚の食べ比べ(胎内産ものと市販のもの、どっち?)や、利き水(胎内高原のミネラルウオーターと、胎内の「どっこん水」、水道水はどれ?)など、チャレンジスピリッツをかきたてる問題が並びます。「問題を作るには、まず僕たちが胎内を知らなくてはいけない。『やらにゃん隊』(「やらにゃん」とは、地元の言葉で「やらないの?」(やるんでしょ?)の意)というチームを結成して、毎回胎内を隅々まで調査しています。自分達にとっての再発見もたくさん出てきます。そんな楽しさを、検定を受ける方にも伝えていければと思います」。ちなみに受検者の4割が胎内市外からの参加。小さな子どもを連れた家族連れが多いというのも、この検定の「楽しさ」を表す部分でしょう。

 

検定。それは地域の文化を後世に正しく伝承するもの

新潟清酒検定模様

新潟清酒達人検定の検定の模様。受検者の真剣さが伝わってくる。

 さて、ここまでいくつかの検定を見てきました。地域を知るもの、知識を深めるもの。さまざまな検定が新潟には用意されています。多岐に及ぶ検定は、新潟の魅力がそれだけたくさんあるということの裏返しともいえるでしょう。学校で学ぶ(学んだ)以上の魅力が、新潟には満ちあふれています。しかし、それらはともすれば見落とされ、やり過ごされ、いつしか忘れ去られていくかもしれません。「近過ぎる」がゆえに、その価値に気が付かないということはよくあることです。検定は、そこにスポットをあててくれます。実際にチャレンジすると、いかに自分が知らないかということに気づくことでしょう。それがきっと、地域を、文化を本当に知る第一歩なのです。検定は私たちにそんな機会を与えてくれます。たとえ「達人」にはなれなくても、得た知識は後の世代に地域を、文化を伝える、大切な財産になることは間違いないでしょう。

  

    

<参考ホームページ>

▷ ・ニイガタ検定 公式ホームページ

▷ ・魚沼物語

▷ ・佐渡観光・文化検定 公式ホームページ

▷ ・日本金属洋食器工業組合

▷ ・新潟清酒達人検定

▷ ・胎内検定

 

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県立図書館おすすめ関連書籍

「もっと詳しく知りたい!」、「じっくり読みたい!」という方、こちらの関連書籍はいかがでしょうか。以下で紹介しました書籍は、新潟県立図書館で読むことができます。貸し出しも可能です。ぜひ、県立図書館へ足をお運び下さい。

▷『燕ジュニア検定問題集』

(燕市教育委員会編・出版/2012年)請求記号:N/29*1.4 /Ts14

▷『歴史で遊ぼう!三条っ子クイズ』

(三条市経済部商工課編・出版/2010年)請求記号:N/29*2.1 /Sa64
     

▷『ふるさと広神検定ブック』

魚沼市立広神西小学校創立30周年記念事業実行委員会編・出版/2009年)請求記号:N /29*2.5 /U79

      

▷『新潟市観光文化検定公式テキストブック:ニイガタ検定』

(第一印刷所クリエイティブインフォメーションセンター編/第一印刷所出版/2007年)請求記号:N/29*1.3 /D18
全国各地で開催されているご当地検定。上記の4冊は、県内各地の歴史や文化等をクイズ形式で紹介するなど楽しく学ぶことができる内容です。歴史や文化のほか、自然や産業など「地域の宝」を知ることで、郷土の魅力を再発見し、思わず誰かに紹介したくなるかもしれません。

▷『地域をプロデュ-スする仕事』

(玉沖仁美著/英治出版/2012年)請求記号:601 /Ta78
 郷土の魅力を地域振興につなげるにはどうしたら良いのでしょう。
 本書の著者は20年ほど地域振興に関わり、様々なプロジェクトを手がけてきました。その経験から、プロジェクトを「上手にやる」ためのカギが「地域プロデューサー」という存在にあり、その役割として「チームをつくる」「地元の人を主役にする」「事務局機能をつくる」の3つが挙げられています。また、プロジェクトの具体的な実践内容も紹介された1冊です。
      

▷『地元学からの出発:この土地を生きた人びとの声に耳を傾ける』

(結城登美雄著/農文協/2009年)請求記号:601 /Y97
 地域の魅力は、ご当地検定やガイドブックで紹介されていること以外にも、探してみると未発見のものがまだ眠っているかもしれません。
 こちらの題名にある「地元学」とは「いたずらに格差を嘆き、都市とくらべて「ないものねだり」の愚痴をこぼすより、この土地を楽しく生きるための「あるもの探し」(「まえがき」より)。」と著者は呼んでいます。本書にある全国各地の「地元学」を読むと、地元には独自の魅力が豊かに広がっていることに気づかされます。
     

ご不明の点がありましたら、こちらへお問い合わせください。
(025)284-6001(代表)
(025)284-6824(貸出延長・調査相談)
新潟県立図書館 http://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/

 

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