栃尾地域南部の西中野俣地区と魚沼市との境界付近は、杜々の杜と呼ばれ、昔から神の棲む霊地として村人に敬われてきました。この森は、水源涵養林や干害防備林として保護され、今も、ブナやホオノキ、ケヤキなどの古木が群立し、鬱蒼とした森ではアオバズクやブッポウソウ、アカショウビンなど52種類もの野鳥の生息が確認されています。森の裾から湧き出る清水は、村立以来、飲用水や潅漑用水等の命の水として村人の生活を支えてきました。この水は、昭和60年、環境庁から全国名水百選に選定されて、以来、漂泊の俳人種田山頭火の「こんなにうまい水があふれている」や「岩かげまさしく水が湧いている」などの句を連想させる冷たく澄んだ水質のよさが人気を呼び、今では、年間20万人を越える人々がうるおいを求めて水辺に集うようになりました。栃尾地域では、杜々の森一帯を名水公園として整備し、平成3年8月には名水会館「アトレとど」がオープンしました。アトレとどの一角のレストラン「銘森(めもり)」は、名水で炊くコシヒカリと栃尾名物あぶらげや山野菜等、山村ならではの素朴な郷土料理が訪れる人の人気を呼んでいます。
出典:
『とちおロードマップ』
提供元:長岡市栃尾支所 商工観光課
画像提供元:
長岡市