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file-142 「義」の男たち、新潟のヒーロー!(後編)

  

正義のために/新潟の特撮ヒーロー


 昭和40年代以降、ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊などの特撮ヒーローが次々とテレビに登場。すると、新潟県でも悪をやっつけ正義を守るヒーローたちが立ち上がり、イベントやテレビ、映画で躍動。徹底したこだわりと個性で人気を集めています。

子どもたちに夢を。地域に元気を。

新潟ライダー参上!

新潟ライダー 一人

「ウエアを着てバイクに乗ると、身も心もライダーになっていく。楽しみであり、やりがいも感じます」/新潟ライダー

 いつの頃からか「仮面ライダーが新潟にいる」「新潟市東区にアジトがあるらしい」といううわさが立ち、「秋葉区の植物園で遭遇」「地元アイドルのイベントで発見」という目撃情報がSNSなどに上げられるようになっていました。「どれも正しいですよ」と笑うのは新潟市でバイク店を営む佐上博さん。「ただし、ここに現れるのは、仮面ライダーとバイクをこよなく愛する『新潟ライダー』です」。ここ数年、ローカルテレビや雑誌だけでなく、全国放送のテレビからの取材依頼があり、存在は広く知られるようになってきましたが、その全貌は謎に包まれたままです。

 

佐上さん

「私のヒーローは、白いオートバイに乗った月光仮面。若い頃、スクーターに乗った少年ジェットみたいと言われたことも」/佐上さん

新潟ライダー 他

新潟ライダー(左)を慕う、弟子のような存在の「新潟ライダー arigato」(右)と一緒にツーリングに行くことも。注目度がぐっと上がる

 この日、佐上さんを訪ねてきた新潟ライダーは、バイクを降りてもフル装備のまま。「見てくれる人の夢を壊したくないから、いったん変身したら人目のある限りそのままでいるんです」。約20年前にバイクに乗り始めた時、人と同じではない、自分らしいスタイルを追求し、思い至ったのが子どものころに憧れていた仮面ライダーの存在。「私にとってのヒーロー、仮面ライダーをイメージしながら、ゴーグルやヘルメット、バイクスーツをDIYでデコレーション。今では10パターンをそろえています」。コスプレとは違い、すべて機能を満たしているので運転に支障はありません。変身して県内外のイベントや観光施設を訪れると、子どもたちに声をかけられたり、「一緒に写真を」と求められたりすることが増え、県外から会いに来るライダーや「一緒に活動したい」と言うライダーも現れました。「喜んでもらえるのはうれしいです。これからもそういう期待に応えるため、ヒーローとしてストイックに暮らしていきたいと思っています」
 佐上さんは、当初から新潟ライダーをサポートしてきました。「マシンの安全性の確保はもちろん、かっこよさも提案し、乗る楽しみを増してあげたい。バイク乗りは心優しく、純粋な人が多いから、悩みやストレスもいろいろあると思うんです。そういうものはここに置いて、元気になって帰ってほしい。ライダーたちの心の拠り所でありたいと思っています」。佐上さんのショップは、新潟を盛り上げる新潟ライダーを支える温かなアジトでした。

 

悪と戦う、新潟の特撮ヒーロー

ガッター

舞台は2050年。農業強化型スーツでヒーローに変身するという、新潟らしさ満載のストーリー。/超耕21ガッター

ミツケンバー

新潟県文化祭2020に参加し、ご当地特撮ヒーローを文化の1ジャンルとして認知させた。/放浪光使ミツケンバー

トチオンガー

企画・原作・製作・造形・主演(星狐太郎・トチオンガーの2役)など星さん一人で担当。/トチオンガ―セブン

星さん

「私のヒーローは『鉄人タイガーセブン』と劇場版『電人(でんじん)ザボーガー』。彼らが制作の源泉です」/星さん

 平成20年代になると、ウルトラマンや仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズなどヒーローものをテレビで見て育った人たちによって、新潟のオリジナルヒーローが次々と誕生しました。平成21年(2009)には、近未来の新潟で怪人から米を守る「超耕21ガッター」、翌22年(2010)には、悪の組織から見附市の秘宝を守る「放浪光使ミツケンバー」、そして平成27年(2015)には、長岡市の栃尾地区を舞台に悪の一族をやっつける「トチオンガ―セブン」が誕生。各地で熱い戦いを繰り広げています。
 狐の神と油揚げ屋の主人が合体したヒーロー「トチオンガ―セブン」を生んだのは、まさに自身で油揚げ店を経営する星知弘さんです。「ヒーローは私にとって人生の一部。特撮ドラマを見ながら成長したといってもいいくらいです。かつて私が夢中になった、悩み苦しみ、それでも立ち上がって正義を貫くヒーローの姿を現代の子どもたちに見せたい」という思いで、「トチオンガ―セブン」を造形しイベントで活動。平成29年(2017)には、テレビ版「炎の天狐(てんこ)トチオンガ―セブン」全6回を自費制作。翌30年(2018)には、クラウドファンディングで集めた資金をもとに劇場版「炎の天狐トチオンガ―セブン 閻魔堂! 地獄の大決戦‼」を制作し、新潟市、長岡市に続き、東京都内でも上映にこぎつけました。

 

佐々木さん

一文字隼人を演じた佐々木剛さんは、新発田市出身。「ひとに対してどれだけ優しくできるか。自らの命を捨ててもみんなを守る。それができるのがヒーロー」/佐々木さん

「第一線で活躍しているプロに監督や音楽、キャストとして参加していただき、正真正銘の特撮ドラマを完成させることができました。ナレーションは仮面ライダー2号・一文字隼人を演じた佐々木剛(たけし)さんにお願いしました。こういうドラマには、一瞬にして人の心を沸騰させる力があります。厳しく辛くても、持てる力を振り絞り、現実を乗り越える。すると、できなかったことができるようになる。子どもに勇気を与えるだけでなく、私と同年代の大人をもう一度奮い立たせることができればという思いも込めています」。次回作に向け、星さんの熱い戦いは続きます。

 

 新潟で育ち、応援の中で活躍したヒーローたち、また、地域を愛する人たちによって生み出されたヒーローたち。残された足跡をたどり、ヒーローゆかりの地を巡れば、一味違ったディープな新潟が体験できるはず。新潟には時代を超えて輝き続ける、たくさんのヒーローが待っています。

 

掲載日:2021/2/15

 

■ 取材協力
佐上博さん/佐上商会 代表取締役
新潟ライダーさん
星知弘さん/株式会社毘沙門堂 代表
佐々木剛さん/俳優

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