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file-18 雪国の暮らしと文化 ~雪の利用



雪の利用

 新潟の人々はあり余る雪を利用して暮らしていました。例えば水の確保が重要な棚田。田植え時期のたん水には雪解け水が必要で、今でも雪不足の年では「田植えができない」「畦が乾燥でひび割れる」などの被害が出て、雪が重要な役割を担っています。産業にも結びついた雪の活用例をみてみましょう。

 
 
 

かつての越後では早春の風物詩だった雪さらし。現在は別の方法で漂白されるため、観光用や特別注文の時のみ行われるという。(小千谷市)  

 
 
 

旧安塚町(上越市)行野集落の地主だった横尾家が個人で所有していた雪室(国有形登録文化財)。雪集めは小作の収入源となり、飲み物を食品を冷やしたりするのに使用されていたという。現在でも地域の人たちが酒などを貯蔵している。底に設置してある容器は酒を入れるためのもの。雪を集めて山盛りにし断熱シートなど被覆材を載せて夏まで保冷する。  

 
 

 ■ 越後上布・越後紙

 
 国の重要無形文化財に指定されている越後上布は、江戸時代まで武士の正式な服装に使われていた麻織物の最高級品ですが、際だった白さが特長の一つとなっていました。「雪さらし」といって、布を雪に埋め、雪が溶ける際に発生する水素イオンが植物繊維を漂白する効果を利用していたからです。雪にさらすことにより白はより白くなり、色柄も冴えるのです。
 また、越後紙もその白さで知られていましたが、原料の楮(こうぞ)には同様に「雪さらし」が施されていました。

 

 ■ 雪売り

 
 夏の氷は、冷凍技術のない時代にはとても高価な嗜好品でした。豪雪地帯では冬に雪を集めて夏まで溶けないように貯蔵し、暑い時期に冷蔵用として使ったり、甘い蜜をかけて売られたりしていました。貯蔵するには大がかりに雪を集めなくてはならず、地域の地主や有力商人が雪室を作っていたようです。冬場は農民には仕事がありませんから、雪を集める仕事は雇用対策にもなっていました。
 

 ■ 雪中貯蔵・雪さらし

 
 雪国では、昔から野菜などを鮮度を保つために雪の中で貯蔵してきました。雪中は湿度90%以上、多少の空気があって太陽の光は通さず、気温が零度という状態で保存にとても適した環境です。一部の野菜はこうした環境下で糖度を増すことが実証されており、現在ではキャベツやにんじんなどで雪の下から掘り出して出荷することで付加価値を高めた商品もあります。
 また、とうがらしを雪にさらしてまろみを出す上越地方の伝統的調味料「かんずり」も、雪によって付加価値を生み出しているものの一つです。近年では日本酒なども「雪中貯蔵酒」として高い評価を受けています。
 

 ■ 冷房

 
 日本で最初のワイン醸造所「岩の原ワイナリー」(上越市)では、ワインの熟成に必要な樽の温度を下げるために雪を一夏貯蔵し活用していました。現在はさらに効率の良い雪冷房システムを使い、ワイン樽を貯蔵している石蔵を冷房しています。
 また、上越市の安塚地区では、学校に雪冷房システムを整備しています。夏でも涼しい教室は、夏休み中の課外活動を活発にする効果があるそうです。雪冷房は環境にやさしく、また、有害物質を吸着する空気清浄効果も確認されており、今後ますます注目が集まることが予想されます。
 

 ■ 水


 雪は春には溶けて水に変わります。豊富な水は農業のほか、発電にも使われています。JR東日本は新潟県内(小千谷市、十日町市)に3つの水力発電所を持っており、山手線など首都圏のJRに電力を供給しています。これらの発電量は44万9000キロワット。JR東日本で使用する全電力の1/4が新潟県内の水力発電所でまかなわれています。
 

 ■ 山菜


 春の山菜の中でも代表的な「ぜんまい」。豪雪地で採取されるぜんまいは高値で取引されます。雪のない地方のぜんまいと比べると太くて柔らかく、味のよいものが採れるからです。一説には雪による保温と紫外線の遮断によって地下でじっくり養分を蓄えることができるからだといわれます。雪の多い地域では、現在も貴重な収入源になっています。

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