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file-33 北限の茶どころと新潟のお茶 ~茶はフリーダム



茶はフリーダム

「お茶」はfreedom!

 一口に「茶」と言っても、意味するところはさまざま。中国から入ってきた植物、そして文化ですが深く日本に浸透しています。茶の産地である村上では、番茶は茶色ではなく緑色、佐渡の一部では茶がゆを食べる習慣があり、今も自家用茶を作っているところがあります。糸魚川のバタバタ茶には茶の葉ではなく花を使いますが、この花を摘む場所の地名は「茶畑」。かつて栽培が行われていたらしく、とても古い木から摘むそうです。

 日常喫するお茶とは異なる「茶の湯」も、日本の大切な文化の一つ。「新潟は、全国的に見てお茶は盛んな方だと思いますよ」と堀一孝さんは言います。茶道には大きく分けると千家を筆頭とする町人茶と、遠州流や石州流などの武家茶があるそうですが、新潟県では江戸時代に諸藩の大名が愛好したため武家茶の流れが多いそうです。堀さんは石州流越後野村派宗匠を、この5月に襲名します。

 堀さんは、茶道を一言で言い表すとすれば「お茶は自由!」と言います。各流派によってさまざまな点前、ルールはあり、日本の多くの芸術表現がそうであるように、茶道でもまずは「型」を習得するところから始まります。しかし、茶道の本質は「その先にあります。亭主と客がいて、その間に茶がある。茶を仲立ちにして双方で作り上げる時間と空間の芸術なのです」と堀さん。客と亭主の間でどんなコラボレーションが繰り広げられるか、何が生まれるか。そこは「自由」なのだといいます。

 堀さんによれば、茶道愛好人口の9割が女性。しかし近年は男性雑誌で茶道の特集が組まれたりして若い男性の間でも関心は広まっているといいます。「確かに茶道にとって礼儀作法は重要な要素ではあります。が、茶道の本質は別のところにあると思います。相手があって、自分があるということ。どれだけ相手のことを考えることができるかというのは、果てのない人間修養。茶を仲立ちとして、自分を磨く場でもある」。

 「私はドラムを演奏するのですが」と堀さん。茶を例えるなら、ジャズのセッションにも通じるそうです。ジャズのルールの上で音楽を仲立ちにして、互いの感覚を研ぎ澄まして奏で、そしてたたえ合う。茶は、茶道の作法の上で茶を仲立ちとして、その時間を共有する。「そこには日本の四季、非対称、研ぎ澄ました簡素さなど茶道から発展してきた美学も取り入れられます。最も大切なのは、その時、その人、その感覚の時はその一瞬しかないということ。これが一期一会です。極言すれば、一服のお茶をおいしくいただくということです。良い演奏ができてよかったね“good job!”ということです」と話します。

 県内には茶室も多く、各地で茶会が開かれます。茶道教室は個人でも公民館でも行われているので、まずは一度訪ねて見てください。



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