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file-37 定期市と雁木通りのまち巡り 朝市の名物は「人」とのふれあい


朝市の名物は「人」とのふれあい


朝市ならではの光景。

いたるところで売り手と買い手がコミュニケーションをとるのも朝市ならではの光景。


町田富洋さん

「どら焼き屋」の町田富洋さん。


上越朝市のどら焼き

東京では今川焼でも上越の朝市ではこれが「どら焼き」。


どら焼き行列

町田さんのどら焼きにはいつも行列ができる。


山田みきさん

自家製酵母・天然酵母の無添加パンを売る山田みきさん。朝市に出店し始めて間もないものの、パンの人気は上々。


 前出のように一の日の柿崎、二・七の高田本町、三・八の直江津、四・九の高田大町それに妙高市の六・十と、ほぼ毎日のように朝市が開かれている上越地域。一つの市だけでなく、いくつかの市を掛け持ちする出店者も多い。

 出店者は、お店のように商品を販売する業者と、畑で採れたものや自家製の加工品など手作りのものを売る個人農家などの2種類に大別できる。両者の違いは朝市を歩けば一目瞭然。大きなテントを張っているのはほとんど業者。小さなパラソルや覆いがなく、地べたに座っている人たちは個人農家という具合だ。

 上越地域の朝市は、この2種類の出店者がお互いを引き立てながら仲良く続けているのが特徴といえる。

 朝市の顔ぶれには、朝市の長い歴史を物語るような親子2世代3世代に渡って続けているベテラン出店者も多い。「朝市の名物は?」と聞かれれば、まずこの出店者たち。出店者と買い物客は、商品のやり取りをしてもしなくても立ち止まってお互いに声を掛け合う。

「おまん、どうしてたね。しばらく(市に)来んかったね」

「それがさぁ、腰痛めちゃって」

「もういいんかね、無理しなんな。品もん、うちに届けるから、持って歩きなんな」

 出店者の人々こそが、買い物客にとっての名物なのだ。

 そんな中でも特に有名な名物出店者たちを紹介したい。まず紹介するのは、浜焼きや干物などの魚を持って、富山から上越の朝市に通い続けた田中きのえさん。今では娘の加藤貞子さんに受け継がれているが、30代から80歳になるまで、実に47年間も出店し続けてきたというから驚きだ。富山から運ばれる田中さんの浜焼きは評判で、高田・直江津朝市の名物に。また、高齢にもかかわらず元気に富山から上越へ車を運転して通う姿が、ふれ合う人たちを元気にさせていた。

 次に紹介するのは朝市で大人気の「どら焼き屋」。町田富洋さんが焼くどら焼き屋台の前はいつも行列。どら焼きといっても、形状は今川焼。しかし、上越の朝市で「どら焼き」といえばコレ。先代から引継ぎ40年以上出店し続けている町田さん。このどら焼きを食べたいと、離れた地域から朝市に訪れる人もあるくらい。

 最後に紹介するのは、新しい朝市の人気店。今年5月から自家製酵母・天然酵母の無添加パン、「トダラバ パン」(トダラバとはへブライ後で「ありがとう」の意味)を売っている山田みきさん。特に子育て世代のママたちに人気が高く、あっという間に売切れてしまうほど。

 世代交代とともに朝市の品物や会話も変化していく中、買い物の場であると同時に、住民にとって大事なふれあいの場でもあることは今も昔も変わらないようだ。


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