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恐竜展~科学が解き明かす恐竜のすがた~リポート

恐竜展~科学が解き明かす恐竜のすがた~リポート

新潟県立自然科学館で開催されている、春の特別展「恐竜展~科学が解き明かす恐竜のすがた~」へ行ってきました。この特別展では、恐竜の姿を最新の科学の力を使って「全身骨格」「生体復元模型」「復元画」「CG画像」で復元し、6つのゾーンで紹介。ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルスなどお馴染みの恐竜たちが、実物大で展示されています。会場は、まるで6600万年以上前の中生代(ちゅうせいだい)の世界。家族連れを中心に多くの来場者でにぎわっていました。

ライトに照らされたインロンやプシッタコサウルスの生体復元模型は、今にも動き出しそうなほどリアル。全身骨格をもとにした生体復元模型の筋肉や肌の色は、現在生きている生物を参考にしながら復元したもの。背景の復元画が会場を盛り上げる。

音声ガイドを聞きながら会場内を回ると、展示内容について理解が深まり鑑賞のポイントもはっきりしてくるので便利。まずは音声ガイド(有料)を入手することにしました。音声ガイドナレーターは、大人用と子ども用の2種類があり、子ども用は「弱虫ペダル」「僕のヒーローアカデミア」などで活躍している声優の山下大輝さんが務めています。大人でも子ども用の音声ガイドを利用できるので、「山下さんのナレーションが聞きたい」と、「子ども用」を指名する若い女性も多いとか。私も子ども用の音声ガイドを入手して、恐竜ワールドに、いざ! 出発です。

音声ガイドの装着はスタッフが手伝ってくれる。操作も簡単なので、初めてでも大丈夫。

最初のゾーン「恐竜とは?」では、恐竜の歴史や特徴が紹介されていました。透明なケースの中で一列に並ぶ縮小模型にみんな釘付け。全て恐竜フィギュアクリエイター・荒木一成さんの所蔵です。荒木さん原型制作の限定フィギュアは、館内のミュージアムショップでも販売されています。

「わぁ~い、おもちゃだ」「かわいい!」「これ、知っているよ」子どもたちは、恐竜が大好き。精巧な作りの縮小模型は、今にも息遣いが伝わってきそう。

「角竜の進化」のゾーンでは、さまざまな研究アプローチと成果から角竜が紹介されています。角竜類が現れたのは、ジュラ紀後期の初め頃で、それから白亜紀末まで生息していました。フリルのあるものとないものに大きく分けられ、フリルのあるものにはプロトケラトプスやトリケラトプス、ないものにはプシッタコサウルスなどがいます。

「最初の角をもった顔」と言われるプロトケラトプスは、白亜紀の小型恐竜。子どもや成体、オス、メスなど、さまざまなタイプがモンゴルで発掘されている。

こちらは、角竜の中で一番人気が高いトリケラトプスの頭骨です。大型恐竜だけに、迫力があります。トリケラトプスが属するケラトプス科の角竜は、角やフリルの形態がさまざまで、中には角がなくなってコブになったものもあるそうです。会場には、ケラトプス科の頭骨が数多く展示されています。見比べて、その進化と多様性を確認してみてはいかがでしょう。

2005年アメリカで発見されたトリケラトプス亜成体「ホーマー」の頭骨標本。成体とは異なり、眼窩(がんか)上の角の反りが上向きになっている。

さらに進んでいくと、ジュラ紀を代表する二大恐竜ステゴサウルスとアロサウルスの全身骨格が目の前に飛び込んできました。「ジュラ紀の対決」のゾーンに到着です。全長6~7メートルもあるアロサウルスを見上げている私に、「アロサウルスの左側肩甲骨に空いている穴、何だと思いますか?」とスタッフの坂川亜由美さん。「実はこれ、他の動物との対決でできた傷だと考えられています。このコーナーは、そのシーンをイメージしてるんです」なるほど、そういうことだったんですね。それにしても、大きな体に、5~10cmもある鋭い歯、いかにも強そうなアロサウルスに一糸を報いた生き物がいたとは・・・。

左:小さい頭と背中の骨質の板が特徴的なステゴサウルス。右:細い頭骨を持つアロサウルス。背景の復元画には、大型恐竜が生息していたジュラ紀の世界が描かれている。

本展では、「全身骨格」と「生体復元模型」を比較しながら鑑賞できるように、両者を並べるなど展示に工夫がされています。どんどんイメージが膨らんできますね。

左:アロサウルスの頭部骨格(上)と復元模型(下)。右:羽毛があった可能性のある恐竜「コンカベナートル」。筋肉や肌の色が復元され、まるで生きているかのよう。

白亜紀になると大陸は分裂が進み、恐竜たちの特徴も環境ごとに多様化。大繁栄時代を迎えます。「白亜紀の対決」のゾーンでは、いよいよ恐竜界の二大スーパースター「トリケラトプス」と「ティラノサウルス」の登場です。まずは、トリケラトプスから見ていきましょう。トリケラトプスは、ふん部(鼻)に1本、左右の目の上に各1本ずつ、計3本の角を持った大型恐竜で、白亜紀後期に生息していました。 

大きな頭骨とがっしりした前脚が目を引くトリケラトプスの全身骨格。構成する骨類は50種近くに上る。近くに骨格の詳細が描かれた図版が展示されているので、見比べるとおもしろい。

トリケラトプスの全身骨格の前には、本物の化石やレプリカに触れられる体験コーナーが用意されていました。触ったり、匂いを嗅いだり、ぜひ体験してみましょう! 

トリケラトプスの糞を観察する子どもたち。「凸凹している」「ぜんぜん、臭くないよ~」。体験コーナーでは他に、胴椎、皮膚印象、下顎にも触れることができる。

こちらは人気ナンバーワン。世界で最も有名な恐竜「ティラノサウルス」です。肉食恐竜の中でも桁違いに大きい頭部は迫力満点。顎の力は、地球上にこれまで生息した陸上動物の中で最強と推測されています。本展では「ワイレックス」と呼ばれるティラノサウルスが展示されています。なんと、この全身骨格の高さは3.7メートルもあるそうです。

2002年にモンタナ州で発掘されたティラノサウルス「ワイレックス」の全身骨格。発掘時は、尻尾が途中までしかなく、復元時に尻尾の先までを再現した。

ワイレックスの全身骨格は、パーツの状態で運び入れ、6人で数時間かけて組み上げたそうです。本展では、全身骨格が複数展示されており、全工程4日間かけて組み立てています。精巧な復元模型を組み上げるなんて、さすがですね。

左上から時計回りに1.鋭い歯を持った巨大な頭骨。2.ティラノサウルスで唯一発見されている皮膚印象。3.左後方から見た脚。前脚が極端に短い。4.共食いによって食いちぎられた可能性がある尻尾。

これまで登場してきた恐竜たちは、図鑑でお馴染みのものがほとんど。日本の恐竜はどうなっているのでしょう?「日本の恐竜たち」のゾーンで確認してみましょう。ここでは、福井県で発見された恐竜「フクイベナートル」「フクイラプトル」の全身骨格を見ることができます。自分たちが住んでいる場所の名前(ここでは「福井」)がついているなんてカッコいいですね。ちなみに新潟県では、まだ恐竜の化石は発見されていませんが、白亜紀前期に川などで堆積したと考えられる手取層群(てとりそうぐん)が分布しています。福井県の同時期の地層からは、多くの恐竜化石が発見されているため、新潟県でも発見される可能性はあるとのことです。ぜひ、見つかってほしいですね。

手前:国内で見つかった7例目の新種恐竜「フクイベナートル」奥:アロサウルスの仲間「フクイラプトル」

ティラノサウルスの大ファンで、本展の監修を担当されている福井県立恐竜博物館の研究員・理学博士の中田健太郎さんにお話を伺いました。

「どの時代の地層が分布しているかによって、発掘される恐竜はだいたい決まってきます。福井県は白亜紀前期の地層なので、その時代の恐竜が発掘されています。復元は、博物館や大学の研究者が主導となって行いますが、復元模型を作る際は、造形ができる方や骨格を作るのが得意な企業など、専門家と組んで進めています。福井県立恐竜博物館では、2体ほど恐竜ロボットを展示していますが、その声は、恐竜に近い現代の生き物の声を参考にして作りました。そういう意味では、生体復元模型を作る過程に似ています」

「恐竜研究者の中でティラノサウルスのファンはすごく多いんですよ。だから、いろいろな種類の恐竜がいるにもかかわらず、ティラノサウルスの研究が一番されていて、進んでいる。みんなから愛される、ヒーローなんです」(中田健太郎さん)

恐竜の姿を科学の力で解き明かした恐竜展。図鑑で見るものとは、迫力が全然違いました。 ゴールデンウイークは、みんなで新潟県立自然科学館へ出かけてみませんか。新しい発見がきっとあります。

2019年春の特別展
「恐竜展~科学が解き明かす恐竜のすがた」
会場:新潟県立自然科学館 1F特別展示室
期間:~5月12日(日) ※4月22日(月)・5月7日(火)は休館
時間:平日9:30~16:30 土日祝日9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
特別展入場料:高校生以上1,000円、小・中学生700円
※別途、入館料:高校生以上570円、小・中学生100円(未就学児無料)
平日限定 入館無料制度あり:小・中学生・60歳以上(新潟県民限定)・未就学児同伴の保護者(新潟県民限定)

掲載日:2019年4月19日

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新潟県立自然科学館
新潟市中央区女池南3-1-1
電話025-283-3331

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