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file-55 つながる!新潟の鉄道:前編~ 縮まる首都圏との「距離」。そして上越新幹線へ

  

縮まる首都圏との「距離」。そして上越新幹線へ

記念乗車券

上越新幹線開業を記念した入場券は駅ごとに意匠が違う。新設された「燕三条駅」は弥彦神社を背景に。新潟駅は万代橋、長岡駅は大花火、浦佐駅は奥只見湖、越後湯沢駅はスキーといったように、地域の観光やレジャーを盛り込んだものになっている。
撮影協力/新潟県立歴史博物館(展示品)


記念品

上越新幹線の開業を記念する品々の一部。ウィスキーや日本酒のミニボトルから湯のみ、缶コーヒーまで、さまざまなものが並ぶ。このほか、多数の記念メダルも発売された。
撮影協力/新潟県立歴史博物館(展示品)


 上越線では当初から最急勾配20‰(パーミル)の水上駅―石打駅は電化されていたが、昭和22年(1947)に全線の電化が完了。昭和27年(1952)には上越線経由の急行『越路』が運転を開始、上野-新潟は6時間に短縮された。昭和31年(1956)には急行『佐渡』により5時間45分となり、昭和37年(1962)には特急『とき』が運転を開始する。新潟と東京の時間的距離はどんどん縮まっていった。そして次に控えていたのは新幹線構想である。昭和39年(1964)に東京と大阪を結ぶ東海道新幹線が開業する。それに合わせて全国へ広がる新幹線網が構想された。ちなみに現在の上越新幹線と同様のルートは土木学会総会による昭和42年の構想当初から組み込まれていた。そして昭和46年(1971)、東北新幹線、上越新幹線、成田新幹線の基本計画が決定。その年のうちに上越新幹線の工事が着工される。大清水トンネルの建設、中山トンネルの出水事故、橋梁建設、克雪対策など多くの課題を克服し、太平洋側と日本海側を結ぶ初の新幹線が開業したのは昭和57年(1982)年のことだった。

思いをつないだ上越新幹線

 開業に先立ち上越新幹線の列車名称が公募された。速達タイプは新鮮で明るいイメージの「あさひ」に、そして各駅停車タイプは「とき」になった。上越新幹線開通まで活躍していた特急「とき」の名称は新幹線へと受け継がれた。新潟と大宮は2時間半で結ばれ、さらに上野、東京へと延伸された。国鉄は分割民営化され、新潟県中越大震災では新幹線史上唯一の脱線事故(負傷者なし。66日後に全線復旧)にも遭った。そして上越新幹線は今年11月15日に開業30周年を迎える。

上越新幹線開業30周年記念展『奇跡の新幹線』
―開業、震災、そして30年―

Nゲージ

『奇跡の新幹線』では豊富な史料のほか、長岡鉄道模型クラブによる鉄道模型の走行会(会期中の毎週土・日曜および8月14~16日。各11時~12時、14時~15時30分)が行われる。歴代の新幹線が顔を揃えるさまは懐かしくも圧巻。
撮影協力/新潟県立歴史博物館(展示品)

 新潟県立歴史博物館では、上越新幹線開業30周年記念展『奇跡の新幹線』が開催されている(~9月9日)。3年前にこの企画を提案し、準備にあたってきた専門研究員の山本哲也さんは企画の趣旨をこう語る。

 「今回あえてテーマに『奇跡』とつけたのは、奇跡とは何かを突き詰めるためでもありました。明治の時代に岡村貢さんの提唱した上越線が上越新幹線のルーツであるのは間違いないでしょう。三国山脈を貫くという彼の大胆な発想がなければ上越新幹線はなく、山脈を迂回する全く別のルートが採られた可能性すらあります。彼の構想から100年以上にわたり関わった、さまざまな人々の努力や技術の進歩、時代背景があってこその上越新幹線なのだということを企画展では紹介しています。また、今回の展示に際して多くの方から写真や記念品などのご協力を頂きました。集めてみると、上越新幹線を記念する品物の数は他の新幹線のものより圧倒的に多いことがわかりました。これは上越新幹線に寄せた新潟県民の並々ならぬ期待の高さを現すものでしょう。上越新幹線はたび重なる豪雪や大地震を経験しても、なおかつ揺るぎない信頼性を保っています。けれどこれは『奇跡』ではありません。事象を想定し、訓練によって得た『当然』の帰結なのです。では、上越新幹線における『奇跡』とは何でしょう。企画展を通して感じて頂ければ幸いです」。
 
 現在、新潟―東京は最短1時間40分で結ばれている。81年前の上越線開通時の新潟―上野の所要時間は7時間10分(430分)だった。縮まった時間的距離に立ち、いまの新潟は歩みを進めている。
  
  

  

 上越新幹線開業30周年記念展『奇跡の新幹線』―開業、震災、そして30年―
  開催日/終了
  開館時間/9時30分~17時(入館は16時30分まで)
  休館日/毎週月曜日(8月13日は開館)
  観覧料/一般800円(640円)、高校・大学生500円(400円)、中学生以下無料
  ※( )は20名以上の団体料金。
  ※過去の半券で本企画展の観覧料が2割引となる「リピーター割引」あり
  
  

■ 参考図書
  
▷ 『ふるさとの百年総集編 新潟県の100年 4<交通・産業編>』(新潟日報事業社出版部・昭和60年)
    
▷ 『保存版・上越線の80年 ―時代を超えて新潟と関東をつなぐ鉄道』(郷土出版社・平成9年)
    
▷ 『市制100周年記念 図説 新潟市史 別編-』(新潟市総務部市史編さん室・平成元年)
    
▷ 『北原白秋 白秋全集 第12巻』(岩波書店・昭和61年)
    
▷ 『にいがた人物伝 時代に挑んだ先駆者たち』(久保田好郎著 新潟経済社会リサーチセンター・平成3年)
    
▷ 『新潟県の廃線を歩く 鉄道歴史探訪ガイドブック 改訂3版』(新潟日報事業社・平成22年)
    

■ 参考ホームページ

▷ 『越後湯沢温泉 雪国の宿 高半』(http://www.takahan.co.jp/
    
▷ 『えきから時刻表』(http://www.ekikara.jp/


    

 

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