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file-89 想いを伝える自費出版

  

あなたも自費出版に挑戦!

自費出版は人生の記念碑

考古堂会長の柳本雄司さん

自費出版の方法についてお話しを伺った考古堂会長の柳本雄司さん。「本はその人の生きた証です」と語る。


 特集の後半では、県内の自費出版の実情をご紹介します。

 それでは実際に県内では、どんな人が、どのように自費出版をしているのでしょうか。自費出版にもいろいろな方法がありますが、一般的なのが出版社に依頼して本を作る方法です。新潟市内の出版社・老舗書店である「考古堂」の会長・柳本雄司(やぎもとゆうじ)さんに、自費出版についてお聞きしました。
 「本を作る、自費出版をすることは、自分の研究や探求、思想や趣味を、形にして残すことです。本はご自分の生きた証、人生の記念碑ともいえるものです」(柳本さん)。
 一般に自費出版は、何かを人に伝えたい、自分の考えを表現したいという志が原動力となります。作品を生み出すのは相当の時間とエネルギーが必要ですが、それを乗り越えて表現するのは、深い思い入れがあってのこと。自費出版をするのは年配の方が中心だそうですが、若い方が原稿を持ち込まれるケースも増えているとか。作者の家族や知人、または地域に向けて出版される本は、小規模だからこそ自由・多彩で、新たな発見にあふれています。近年は電子出版という手軽な方法もありますが、形あるものとして出版された定本(十分に校正がなされた決定版など)には、著者のその時点での意図がはっきりと示されることもあり、著者自身も価値を感じやすいのではないでしょうか。

 実際の出版に関する工程はどうでしょうか。
 「まず、何ページで、どのような判型(本の大きさ)、紙質はどのようにするのか、1ページに入る文字の量と大きさなどを担当(編集者)とご相談していただき、組見本(本のページ体裁を見るための見本)を作ります。束見本(本の大きさや厚さの見本)を作る場合もあります。体裁が決まったら内容の校正(文字の間違い修正や内容を確認する作業)などに入りますが、持ち込まれる原稿の種類や本の部数によって、制作期間は変わります」(柳本さん)。
 例えばパソコンなどで入力し、校正が不要であれば、すぐに本の組版(文章や写真、イラストなどを配置して、ページを実際に作ること)になりますが、原稿用紙に手書きした場合は文字のデジタル化が必要で、その分費用や時間もかかります。校正作業を出版社に依頼して行う場合も同様です。
 柳本さんによれば、「おおよそ、A6判、100ページ、500部ぐらいで、シンプルな体裁なら、50万円ぐらいが出版経費の目安ですね」とのこと。もちろん装丁(本の装飾やデザイン)を凝ったものにすればその分費用もかかります。また、出版社に依頼する場合は、県内の一般書店やネットショッピングで販売する取り次ぎも行ってくれる場合が多いので、自費出版に興味がある方、自分の作品を出版してみたいという方は、出版社に相談してみてはいかがでしょうか。

郷土の魅力を発信する自費出版

新潟出版文化賞の表彰式

第8回 新潟出版文化賞の表彰式&フォーラムの様子。毎回多数の作品が寄せられ、いずれも力作ぞろいだ。


第9回 新潟出版文化賞

平成27年の7月末日まで募集されている「第9回 新潟出版文化賞」。キャッチコピーは「ライバルは、漱石か? それとも安吾か?」


 新潟県では、新潟県在住者の執筆した自費出版図書に光を当て、広く紹介する「新潟出版文化賞」を実施しています。平成11年から隔年で募集を行い、優れた作品を顕彰している全国でも珍しい文学賞です。募集部門は記録誌部門(自分史、地域史、民俗記録、郷土史、人物伝、旅行記等)と、文芸部門(小説、エッセイ、童話、詩集、歌集、句集、絵本等)があります。
 選考委員は作家の新井満(あらいまん)氏ほか6名が参加し、さまざまな角度から作品を評価し各賞を選出しています。特に「地域性」と「独自性」を重視し、新潟県の「文化の宝もの」にふさわしい作品を選考しています。

 今回、特集の前半でご紹介した「現代語訳 塵壺 河井継之助記 -蒼龍への熱き想い-」は、第7回 新潟出版文化賞(2011年)の選考委員特別賞(新井満賞)の受賞作です。500ページ以上にもなる力作で、塵壺の解釈部分が読み物として分かりやすく、文芸部門の作品として価値があるとして選ばれました。新井満氏は、
 「ある選考委員から『この作品を選考委員特別賞(新井満賞)に押したい』という提案があり、私も賛成することにした。最近の私は、「老子」から「般若心経」まで“自由訳”と称した現代語訳にとりくんでいる。本書の現代語訳は、竹村流の自由訳とも言うべきもので、面白いこころみだと思う。」(第7回新潟出版文化賞 講評より一部抜粋)と述べ、作者の熱意と挑戦を評価しています。

 みなさんもご自分の思いを込めた作品を応募してはいかがでしょうか。
[第9回 新潟出版文化賞のホームページは(こちら)

 自分の想いを確かな形にできる自費出版の世界。日頃、研究や調査、趣味などを通して、誰かに何かを発信したいと考えている方は、ぜひ創作に挑戦してみてはいかがでしょう。  

    

■ 関連サイト
新潟出版文化賞 http://www.pref.niigata.lg.jp/bunkashinko/1356813020134.html
越後長岡 河井継之助記念館 http://tsuginosuke.net/  
長岡市郷土史料館 http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kankou/miru/siryou/kyoudo.html  


■ 取材協力・資料提供
竹村保さん
考古堂 柳本雄司さん
越後長岡 河井継之助記念館


■ 参考資料
竹村保(2010)『現代語訳 塵壺 河井継之助記 -蒼龍への熱き想い-』雑草出版
稲川明雄(2008)『新潟県人物小伝 河井継之助』 新潟日報事業社
稲川明雄(2010)『風と雲の武士 河井継之助の士魂商才』 恒文社
越後長岡 河井継之助記念館ホームページ

 

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