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file-103 新潟から元気を発信!~にいがた・ローカルアイドルの可能性(後編)

 

進化するアイドル文化~新しい次元へ


 全国のローカルアイドルの草分け的存在、Negicco(ねぎっこ)。結成13年を迎えた今年、念願の東京での単独ライブを叶えました。1ヶ月限定のユニットが、13年もの長い期間、地元のファンに愛され、この2年間では、オリコン週間ランキングに3曲が連続してトップテン入りを果たすという大躍進を見せています。その背景をたどり、彼女たちが呼び起こすであろう新たな動きを予想します。

ローカルアイドルが描くストーリー

12年間の夢がかなった夜

ライブ①

Negiccoの13周年を記念したライブ「Road of Negiiiiii~TADAIMA~」/NHKホール

 「た・だ・い・まー!」
 平成28年(2016)7月30日、Negicco(ねぎっこ)の東京都渋谷区NHKホールでのライブは、この言葉で始まりました。そして、3時間を超えるライブ中に何度も繰り返されました。それは、このホールは彼女たちにとって特別な場所だから。ここに帰ろうと思いながら、帰ることのできなかった12年間。3人もファンも、この日を待ち焦がれていたのです。

 新潟県のブランド作物「やわ肌ねぎ」のキャンペーンユニットとして、平成15年(2003)に結成されたNegicco。活動は1カ月限定の予定でしたが、当時は珍しかった「ご当地アイドル」として注目を集め、幅広くファンを獲得。ユニットは存続することになりました。

 結成翌年には、早くもNHKの音楽番組への出演が決まり、3人は初めてNHKホールに立ちます。全国区のアイドルになれた、と、3人は思いました。けれど、その後、大きなチャンスは訪れませんでした。新潟と東京を往復しながら、ライブやイベント出演を続け、全国区での活躍とその象徴とも言えるNHKホールへの出演をめざします。

 

ライブ②

全22曲とアンコール4曲、約3時間のライブ。ファンはネギライトやタオルを振って、ステージと一体になって盛り上がった。

 平成26年(2014)以降、「光のシュプール」など3曲が相次いでオリコン週間ランキングでトップテン入り。全国ツアー、野外ライブ。夢への道筋が見え始めました。そして、7月30日、NHKホールでのライブ実現。12年間の思いが詰まった「ただいま!」は、3階席まで埋め尽くした、おそらくその多くは新潟からかけつけたであろうファンの「おかえり!」の声に受け止められます。こだまのように、何度も、応答は繰り返されました。

 

ライブ③

「さあ、肩を組んで!」「足を上げて!」ファン同士が肩を組んで踊る、おなじみのパフォーマンスを3人がリード。

ライブ④

10代からずっと一緒に活動してきた3人。憧れの場、NHKホールでのライブに向けて、努力を積み重ねてきたので、その絆は強い。

 「見事に13年間のストーリーができあがっていましたね。コツコツと頑張って、活動を続けてきたNegiccoと、見守り続けてきたファンの絆。うるっときました。ライブ中にファン同士が肩を組んで踊り出すパフォーマンスも健在で、よかった。あの一体感は他にはないですからね。」と、コピーライターの川上徹也さん。Negiccoの人気を分析したビジネス書を出版した川上さんは、この日、半年ぶりにライブに訪れました。
 「この後、3人が結婚しても、子どもが生まれても、アイドルであり続けるかもしれない。そう思わせる何かが彼女たちにはある。もしそうなったら日本初の存在じゃないでしょうか。これからもNegiccoとしての終わりのないストーリーを続けてほしいですね。」

ファンを巻き込んで新しい次元へ

Nao☆

「NHKホールは、Negiccoにとって大切な思い出が詰まった場所だったので、成功とか失敗とかより、楽しんでやりたいという気持ちでいっぱい」Nao☆

Megu

「緊張感より、楽しさと、念願のステージに立てた!という思いが溢れすぎて、涙が止まりませんでした」Megu

Kaede

「スタッフの人に、技術的なことより当日は楽しめるようにしてほしいと言われ、気負いが消えました。いつも通りリラックスして臨めたと思います」Kaede

 12年ぶりのNHKホール凱旋ライブを行ったNegiccoに、ひとつの変化が起こっていました。それは、1年以内に武道館ライブをしたいという目標を取り下げたことです。NHKホールでのライブ中に、Nao☆が話しだしました。「自分たちの夢がいっぱい詰まった場所に焦って立つものではない、と、思ったんです。これからもずっと活動していけるグループになって、胸を張って武道館に立ちたい。」
 「夢をあきらめたわけではありません。武道館に立ちたいという目標はずっと持ち続けていきます。」(Megu)、「Negiccoのペースで少しずつ近づいていきたいです。」(Kaede)と続きました。
 ファンからは「待ってるよ~」と返事が戻ってきました。

 会場でこれを聞いた川上さんは、ひとつのアイデアを思いつきました。「めざすものを武道館ではなく、地元のスタジアムにしては、と思ったんです。そこに新潟県外から人を動かしてきてもいいけれど、県民でいっぱいにしたら、また、県民一人一人がNegiccoのCDを買ったら。全国にアピールできます。最強のブランディングになると思います。」

 ローカルアイドルに期待されることの一つは、地域の魅力を広く全国に向けてアピールすることです。Negiccoも楽曲の歌詞、PVやCDのジャケットなどに新潟の風景を取り上げ、全国に伝えてきました。「新潟をもっと県外の方にも知ってもらって、足を運んでほしい。」(Nao☆)、「新潟に暮らしているからこそわかる新潟の魅力を伝えてきたいです」(Megu)と考えてのことでした。
 こうした外への視点に加えて、中への視点を持ち、地域全体を巻き込んで、一体化することで生まれる効果。その大きさとインパクト。川上さんが注目したのはここです。ローカルアイドルを応援する具体的な行動を県民一人一人が起こせば、それは、これまでにない大きな可能性を拓く――今、求められているのは、地域の力です。

 「私たちが成長できたのは新潟のみなさんの叱咤激励のおかげです。これからも、新潟のみなさんに、新潟にはNegiccoがいる!と、誇りに思っていただけるようなグループになりたいです。これからも、Negiccoを支えていただきたいです」(Kaede)

 

色紙

「念願のステージが叶ってホッとしています。これからも目標に向かって努力します、応援よろしくお願いします!」

 Negiccoと地域が一つになって、生み出す地域活性化。ローカルアイドルの新しい可能性が見えてきました。

 

■ 参考
「新潟発アイドルNegiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ」
川上徹也著2014年 祥伝社

■ 取材協力
Negicco http://www.negiccomobile.net/
川上徹也さん http://kawatetu.info/

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